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高校生発 ロールモデルをみつけよう!LET’S GO

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福島県南相馬市

13人の高校生が「憧れの大人」を取材

MIMORONE(ミモロネ)
代表 島抜(しまぬき)里美さん

◆糸に込める思い
小高で養蚕から糸作り、機織り、さらにはアクセサリー作りまでを行う「MIMORONE」の島抜里美さんは、布が作られるまでの工程一つ一つを大切に取り組んでいます。養蚕で作られる糸はお蚕さまの命そのものと話す島抜さん。お蚕さまの命を無駄にしたくないと、織物の端材を使ったアクセサリー作りまで、活動を広げています。
作品作りで大切にしていることの一つは、絹の良さを伝えること。そのためにもMIMORONEの作品は「小高の特産品」との視点で良さを感じてもらいたいとこだわっている島抜さん。敷地内にある身近な草木が染料の材料になるとの話から、楽しみながら取り組んでいる様子が伝わってきました。実際に繭や生糸、織り上がった布に触れた時、大切に育てられて織られた繊細な温かさを感じました。大切に紡がれて作られた作品を通して、多くの人に絹の価値と島抜さんの思いが伝わると感じました。

◆次世代へと繋ぐ
昨今、生産量が減少している養蚕業。島抜さんは「養蚕に関わる技術を伝承しよう」との思いを強く持つようになりました。繭の煮方や糸の繰り方などを後世に残すための記録を取る、小中学校に蚕を置かせてもらって子供たちが蚕と触れ合う機会を作る、博物館などの機織り機を実際に動かすなどの活動を通じて、養蚕業や養蚕の技術への興味関心を高める活動を積極的に行っている島抜さん。私は養蚕業の存在は知っていたものの、これまで触れる機会は全くありませんでした。お蚕さまを育てることや糸を紡ぐ工程は、大変だけどやりがいがあるということを今回の取材で知り興味が湧いてきました。島抜さんの活動は養蚕業に明るい光を差すものだと思います。

◆環境を整えることからの一歩
「できることや、やりたいことを焦って探す前に、自分の土台である家族や自分を大事にして、自分の環境を整えてから自分が進みたい道を探してほしい」と島抜さんは言います。主婦である島抜さんが、ライフワークとして養蚕や機織りに熱心に取り組めたのには、家族からの応援という環境が整っていたことがとても大きいそうです。自分が安心して取り組める環境を整えることで、何にでもチャレンジすることができるのだと教えてくれました。

●編集後記
取材の中で「できないことは言わない。やらない」という島抜さんの言葉が心に残りました。私は頼まれると何でも二つ返事で受けてしまいがちです。頼ってもらえたといううれしさと、断ったら相手にがっかりさせるかもしれないという不安で断りきれずにいました。しかし、できると言ってできなかった時に、周囲の期待を裏切ってしまうのは嫌だという島抜さんの考えに共感できました。まずは自分の力量をしっかりと把握し、自分を、そして周囲の期待を裏切らないように今後も頑張っていきたいです。
-編集部代表 原町高3年 西内 はるみさん
(一般社団法人あすびと福島編集協力)

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