■夢と希望のある「学び」へ
季節の変わり目を感じさせるような朝夕の気温の変化の日もありますが、やはり、ここ数年は季節感を味わう自然の流れを感じることが少なくなってしまいました。今年も猛暑日が続き稲作をはじめ農作物に大きな影響があった地域もあれば、ゲリラ豪雨や線状降水帯による大雨で洪水被害の地域が多発している現状、自然環境保全の観点はもとより、防災への対応策をしっかりと協議して、備える計画が必要であると思います。
■第63回福島県芸術祭(富岡町文化センター学びの森) 9月1日
今年のテーマは「生き継ぐ伝統 未来を照らす文化の芽吹き」でありました。
あらためて本芸術祭の経緯をひもときますと、昭和37年に県民の芸術文化活動の祭典として開催され、今年で第63回を迎えました。しかし、この長い歴史の中でも、双葉地方での開催は初めてと聞いて驚きました。平成23年9月に楢葉町での開催を予定していましたが、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故により中止となってしまったいきさつがあります。7年前には相馬市で開催、そして今年、双葉地方で初めてとなる開幕式典・行事が開催できた事は感慨深い思いがあります。双葉町からは、「双葉町民謡同好会」「JAスマイル大正琴」の2団体が出演しました。全体で12団体の出演があり代表のインタビューでは、一番の課題は次世代への継承についてであると口々に話されました。地元において伝統芸術を継承する難しさは、人口減少、コミュニティーの希薄化が大きな要因であることは、どの自治体でも共通課題であると感じました。
■学校設置検討委員会による視察(大熊町学び舎ゆめの森) 9月2日
双葉町学校設置検討委員会の大塚類委員長(東京大学大学院准教授)と山本葵委員とともに「学び舎ゆめの森」を視察しました。大熊町の佐藤由弘教育長をはじめ、南郷市兵校長など関係者に案内してもらい、ふるさとに戻っての学校再開までの経緯、大熊町の教育ビジョンの説明をいただきました。ハード面、ソフト面にわたり新たな学校に対して、今までの固定概念、観念を捨て「みんなの学び」というコンセプトのもと地域の方々も集える施設の設計や、子どもたちの自主性を大切に、好きなことを自分の計画で活動できるようなカリキュラムに驚かされました。
■古文書の整理(双葉町産業交流センター) 9月7日
筑波大学の白井哲哉教授ほか10人の歴史に興味関心のある方々がボランティアで活動していただきました。その中でも、世界遺産の仁和寺において学芸員を務めている朝川美幸さんは双葉町渋川の出身で、以前からこの古文書整理に参加いただいておりました。
たいへん地道な作業ではありますが、古文書を読み解いて新たな発見ができた時に、より楽しさが増すとのことです。こうした発見が、双葉町を知るうえで貴重な財産になります。これは、後世に伝えるべき大事なミッションであると思います。
双葉町教育委員会教育長 舘下 明夫
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