喜多方市地域・家庭医療センター「ほっと☆きらり」
医師 武田仁
■突然の大きないびき、睡眠時無呼吸に注意
みなさんこんにちは、今回は無呼吸の話です。睡眠時無呼吸症候群という病気を知っているでしょうか。
肥満傾向の中高年男性がかかりやすい病気で、睡眠中に上気道が狭くなってうまく呼吸ができず、十分な睡眠がとれないことで、日中に強い眠気を催すのが特徴です。
睡眠時無呼吸症候群では日中に強い眠気をきたすだけでなく、脳卒中や心筋梗塞、夜間の突然死などが起こりやすいことも知られています。最近では薬を使ってもなかなか改善しない、いわゆる治療抵抗性の高血圧や糖尿病の原因の一つとして睡眠時無呼吸症候群が知られるようになり、この病気の治療を行うことで血圧や血糖が劇的に改善するような場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群が疑われるのは、日中の強い眠気の他、睡眠中に大きないびきがある場合です。特に、数十秒間静かに眠っていると思ったら、突然「ガガッ」という大きないびきが出て、また数十秒間静かな時間が来る、そんないびきが繰り返される場合には、睡眠時無呼吸症候群が強く疑われます。最近の研究では、肥満の高血圧の人で3〜4割、肥満の糖尿病の人では4〜5割も、中等度以上の無呼吸が認められたという報告もあります。睡眠時無呼吸症候群の治療は、睡眠中にCPAPという機械を使って無呼吸を防ぐことが中心になります。適切な治療を受けることで、日中の眠気や血圧、血糖も大きく改善する可能性があるので、気になる方はぜひかかりつけの医師に相談してみてください。
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