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ほっときらり通信

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福島県喜多方市

喜多方市地域・家庭医療センター「ほっと☆きらり」
医師 武田仁

■運動はどうして体に良いのか?
皆さんこんにちは、今回は運動の話です。定期的な運動は生活習慣病を予防し、加齢を遅らせ、不安や不眠などの精神症状も改善してくれますが、なぜ運動はこれほど健康にいいのでしょうか。
これには、現代人の置かれた特殊な生活環境が関係しています。約30万年前の人類誕生以来、約1万年前の農耕開始まで、すべての人類は狩猟採集の生活をしていました。人間の身体は数十万年かけて、狩猟採集の生活環境に適応して進化しましたが、この狩猟採集民の体質が現代の生活環境に合わないために、さまざまな健康問題も起きています。
狩猟採集の時代と現代で大きく異なるものの一つが、運動量です。狩猟採集の時代には、食料採集のため毎日何時間も歩き回り、ときには狩りのため激しく体を動かすことが必要でした。もしデスクワーク中心で働く現代人が狩猟採集民と同じだけの身体活動をしようと思ったら、1日3~4時間のランニングか水泳、あるいは約20キロm(3万歩程度)のウォーキングが必要とも言われています。交通手段や物流の進歩など、文明の恩恵によって、現代人は体を動かす機会が少なくなり、逆に定期的な運動を行わなければ、最良の健康状態が維持できない状況に置かれているのです。もちろん、狩猟採集民と張り合って無理な運動をする必要はなく、1日15分程度の定期的な運動でも、さまざまな健康改善効果が認められています。よく体を動かしていたご先祖さまにならって、定期的な運動を始めてみてはどうでしょうか。

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