喜多方市地域・家庭医療センター「ほっと☆きらり」
医師 武田仁
■近視予防のための屋外活動と目の休憩
みなさんこんにちは、今回は目の話です。ここ数十年で世界的に近視が増加しており、最近の東京都の調査では小学生の7割以上、中学生の9割以上が近視であり、2050年には世界人口の半分が近視になるという予測もあります。強度近視になると、度の強い眼鏡やコンタクトレンズが必要になり、加齢とともに黄斑変性症などの合併症のため失明の危険もあります。
なぜ近視が世界的に増えているのでしょうか。それには屋外活動時間が短くなったことと、近くの物を見る習慣が増えたことが大きく関係しているようです。太陽光に含まれる紫外線には近視の進行を抑制する力があり、屋外で過ごす時間が短いほど近視になりやすいことがわかっています。また、目から30センチ以内のものを長時間見続けることでも近視が進みやすく、特にスマホやタブレットは目の近くで長時間使用することが多く、最近の近視の増加の一因と考えられています。
東アジアでは特に近視が多く、台湾では子どもの近視対策として2011年から小学校で1日2時間の屋外活動を確保する指導が広がり、その結果子どもの近視は年々減少しています。子どもの近視予防のためには、通学時間や休み時間、週末などに少しでも屋外の活動時間を確保することに加え、勉強や読書、スマホやタブレット利用の際は「20-20-20」ルール(20分作業をしたら、20フィート(6メートル)離れたところを、20秒間見る)で目の休憩をすることが勧められるので、ぜひ生活に取り入れてみてください。
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