国見町は、企業版ふるさと納税を財源とした「高規格救急自動車の研究開発事業(1)」を株式会社ワンテーブル(宮城県多賀城市)に委託し進めていたところ、株式会社河北新報社(宮城県仙台市)が、この事業に対する寄付企業の課税逃れの可能性、仕様書作成へのワンテーブルの関与の疑いなどについて、連日のように報道しました。
そして、ワンテーブル元社長の不適切な発言が報道され、元社長がそれを認めたことから、国見町は、信頼関係が損なわれたとして「国見町官民共創コンソーシアム事業(2)」などの契約を解除することとしました。
その後に行った住民説明会において、住民から事業の検証を求める声が寄せられたことから、国見町は第三者委員会を設置し、事業の検証を行うこととしました。
■第三者委員会とは?
第三者委員会とは、外部の有識者のみで構成された委員会です。
町が行った事業の事務執行や手続きに問題があると考えられる場合に調査を実施し、問題点を分析して再発防止策を提言する委員会です。あくまで再発防止策を提言することが目的なので、町長等の責任を追及するための委員会ではありません。
内部調査で陥りがちな、個人的な視点や感情、政治的な思想、責任転嫁などを避けるため、客観性・中立性・専門性が高いのが第三者委員会の特徴で、条件は次のとおりです。
(1)独立した立場の第三者で構成すること。
(2)弁護士など、専門的な知識を持った有識者を委員とすること。
(3)調査結果が町に不利でも報告書に記載すること。
(4)報告書の提出前は、内容を町をはじめ部外に開示しないこと。
■委員のメンバーは?
当初、弁護士1名、大学教授等2名の3名によって委員会を発足しました。しかし、令和5年9月に突如、大学教授等の2名が辞任するという事態となりました。2名の辞任については、町には「一身上の都合」と伝えられています。最終的に次の委員で調査・議論を行い、報告書をまとめています。
一覧については本紙をご参照ください
■どのような調査結果?
第三者委員会は、問題の原因究明と再発防止策を考えるには、国見町とワンテーブルの関係がいつから、どのように始まったのかを明らかにすることが必要と考えました。
次ページ以降で報告書の概要をお伝えします。
(1)高規格救急自動車の研究開発事業
寡占状況(少数の企業がその市場の大部分を支配している状態のこと)にあるため、海外と比較して遅れをとっていた救急自動車について、研究開発を行う事業。
(2)国見町官民共創コンソーシアム事業
民間事業者が持つノウハウや技術を国見町のまちづくりに活かすために町と民間事業者との共同体を結成する事業。
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