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歴まちさんぽ~千年の歴史を未来へ~Vol.83

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福島県国見町

国見町は、千年以上育まれてきた国見の歴史・伝統・文化をこれから百年後に伝えていくため、これらを生かした「歴史まちづくり」を進めています。このコーナーでは町や地域が行っている取り組みについて、毎月お伝えしています。

■くにみの歴史文化~田植えと、さなぶり
今回の歴まちさんぽは、町の文化的景観を形成する「田植え」と農耕儀礼の「さなぶり」について紹介します。
田植えは植え付けの作業だけでなく、春先の田起こし、種もみからの育苗、集落で行う用水路の掃除「江掃(えはら)い」、水を引き入れた後に土を砕いてかきならす「代掻(しろか)き」など多くの準備作業から始まります。かつては種まき桜や吾妻山の雪うさぎを合図に行われていました。
そして田植えは、その年の作柄を左右する最も重要な作業であり、かつ、田の神が降りてくる祭りでした。
初めて田に苗を植える作業は、神聖なものとして早乙女(さおとめ)踊や田植踊が行われる地域もあります。町でも「苗開(なえびら)き」と呼び吉日を選んで行われ、当日は青ばた豆を散らした赤飯が食べられる特別な日でした。
田植えが終わると、田の神に感謝し、豊作を祈る「さなぶり」が行われました。
「さ」は田の神、「なぶり」は、のぼりを意味していると考えられ、田植えを見守ってくれた神様に、天へのぼっていただく行事でした。
国見町では、水口(みなくち)付近の苗をぬいて束にし、仏壇や神棚・農機具に餅とともに供え、皆で拝んでから家族一同でごちそうをいただくことが広く行われていました。現在でも一部の家庭で伝えられています。また、集落・村単位で田植えが終わったことを祝う「大さなぶり」も行われ、国見町では7月1日に行っていました。
身近に行われる田植えにも、人々の祈りと営みを反映した歴史文化が残されています。
今後も不定期ですが、国見町の歴史文化遺産を紹介していきます。
参考文献:国見町史/国見町歴史文化基本構想/福島市教育委員会2014「板木04」取材協力星野強(光明寺)

問合せ:
企画調整課地域振興係【電話】585-2967
あつかし歴史館【電話】585-4520

■歴まちインフォメーション 案内人ガイド「くにみ案内人」募集中!
国見町の魅力を多くの方に伝える「くにみ案内人」を募集しています。今年度の研修講座は、5月23日木から開講する予定です。どなたでも参加できます。ご希望の方は、問い合わせ先までご連絡ください。なお、研修講座の詳細は町ホームページをご覧ください。

問合せ:企画調整課地域振興係
【電話】585-2967

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