■~感染症の予防について~
今回は感染症の予防を中心としたお話をしたいと思います。
感染症とは、細菌、真菌(カビ)、ウイルス、寄生虫などの病原体が人体に入って起こす病気の総称です。最近では新型コロナウイルスが世の中を騒がせており、皆さんも大変な毎日を過ごしていたことと思います。これらの病原体が人体に入るには、主に接触感染、飛沫感染、空気感染の3つの経路があると言われております。
接触感染とは、その名前の通り病原体に直接触れる状況がある場合に感染するもので、体液(吐しゃ物、糞便、血液など)が付いた手で飲食をして傷口にそれらが付いた、または病原体で汚染された飲食物を摂取するなどで感染が起きます。ノロウイルスや肝炎ウイルス、さまざまな食中毒などがこれにあたります。
飛沫感染とは、咳、くしゃみなどで生じる飛沫(しぶき)に病原体がまき散らされ、それを吸い込んで起こる感染です。インフルエンザウイルスを代表とした上気道炎(咳、鼻水、のどの痛みなど)を起こす病原体に多いです。
最後に空気感染は、空気中に菌が長く生存する状態で起こる感染であり、主に結核、麻疹、風疹などの特定の感染症で起こる感染の形態です。
感染症にかからないためには前述の3つの経路を遮断することが大事であり、つまり、汚れたものには触れない、もし触ったらきちんと手洗いをする、マスクをして飛沫を飛ばしたり吸い込んだりしないようにする、外から帰ってきたら手洗い、うがいをするといった、これまで言われてきた基本的なことが非常に大事になるのです。
コロナ禍の生活の名残でアルコール消毒をきちんとしているから、手洗いはそんなにしないという方ももしかしたらいるかもしれません。これからの季節に流行するインフルエンザウイルスに対しては、もちろんアルコール消毒は有効ですが、同時期に流行するノロウイルスなどはアルコール消毒に強く、そういった病原体に対しては人体に有効な手洗いで対処しなければなりません。手洗い、うがい+消毒、人の多いところではマスクの着用をきちんと心がけ、感染予防に努めていただければと思います。
しっかり予防を心がけても、どうしても感染してしまうことはあります。一般的な風邪は3日から5日程度で症状のピークが過ぎますが、それ以上続く発熱やつらい症状の場合には、病院へ相談ください。
副院長 柏木 真人
問合せ:公立小野町地方綜合病院
【電話】72-3181
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