広野町子ども議会が12月20日(水)、広野町役場の議場で行われました。
広野中学校3年生の生徒7名が議員役を務め、倉部碧希(くらべあいき)さんが議長となり、6名の生徒が遠藤町長ら町執行部に対して質疑などを行いました。議員役の生徒たちは、日常生活で感じる町の課題やふるさとの未来について質問し、遠藤町長、根本教育長らが質問に対する答弁を行いました。町は子ども議会で出された貴重な意見や要望を参考に、町政伸展につなげていきます。
◆多様な町民のニーズに合わせた給食の提供について
菅野 楓翔(かんの ふうが)議員
〔質問〕現在の社会では、多様な文化、多様な考えが認められるような時代になってきています。町内には、文化の違いや食物アレルギーなどの食生活で制限を抱えている人がいると考えます。
たとえば、広野中学校には、様々な環境で育った人が集まってきており、生徒の中には、食物アレルギーや宗教上の理由から給食のメニューで食べることが出来ない食品がある人もいます。これから、移住政策を進めていく町にとって、国内外の各地から多様な人たちを受け入れていくためにも、多様な価値観を理解しているということを町外に伝えていくことが必要であると思います。その第一歩として、広野中学校で様々な人に対応した給食を提供していただけないでしょうか。
〔教育長〕ご質問の「多様な町民のニーズに合わせた給食の提供」につきましては、広野町学校給食共同調理場は、広野小学校および広野中学校の児童生徒並びに教職員に対し、1日約310食の給食を提供しています。
食物アレルギーを持つ児童生徒への対応としましては、各校の養護教諭と連携し、児童生徒全員が同じ物を食べられるように、あらかじめ調理の段階で、アレルギー食材を除いた「ユニバーサル献立」により給食を提供しています。
また、宗教上の理由から、食材、調味料、調理器具、調理工程などに制限のある宗教も多数あります。たとえば、イスラム教においては、豚肉やアルコールなど、食べてはいけないものが定められています。食べてよいものをハラルフードと言いますが、食べてよいのものでもイスラム教の厳格なルールによって屠畜・加工されたものでなければなりません。
そのため、学校給食にハラルフードを提供するには、次のような困難さがあります。(1)ハラルフードの調達が難しいこと。(2)イスラム教徒の中でも、ハラルフードの基準や解釈は宗派や国、地域、個人によって異なるので対応が複雑であること。(3)単に豚肉やアルコールを避けるだけではなく、調理器具や調理場所も含めた厳格な基準に従う必要があり、品質や安全性を保証するためには、専用の調理場や人員が必要になること。(4)給食センターは大量調理をするための施設として整備されており、多様な要望に応えるためには、食材の調達、管理、調理から配膳に至るまでの一連のプロセスが異なること。以上のことから現有施設では対応が難しい状況にあります。
多様な宗教に配慮するための対応としましては、(1)献立表を配付、(2)弁当での対応、(3)除去食、(4)代替食と4つの段階での対応が考えられますが、(1)の献立表の配付と(2)の弁当での対応については、保護者の協力を得て実施しています。(3)の除去食については、保護者の理解を得て、喫食児童生徒本人の責任のもとに除去していただくことになります。(4)の代替食につきましては、先ほど述べたとおり、ハラルフードの基準の厳格さなどにより困難です。
しかし、町としましては、教育の場において多様な文化や習慣を理解・尊重していくことは、とても大切であると認識しております。そのため、イスラム教に限らず、多様な宗教の子ども達が同じ給食を食べることができるように、食材などを考慮した特別メニューを提供する日を設けることができないか検討してまいります。
◆広野町の街灯について
新井 啓一郎(あらい けいいちろう)議員
〔質問〕私たちは、夕方以降の暗くなった時間帯に、下校することが多くあります。しかし、道路に街灯が少ないため不安を感じます。これはひったくりや不審者などの犯罪が起こりやすい環境になっているのではないかと考えます。治安上、広野町が住みやすい町になるためにもより多くの街灯の設置と、現在、電気が切れて暗くなっている街灯の修繕をしていただくことは可能でしょうか。
〔町長〕ご質問の「広野町の街灯について」の「街灯の設置と、現在、電気が切れて暗くなっている街灯を修繕してほしい。」につきましては、町内の防犯灯は現在552基設置しております。日常のパトロールにおいて現地を確認し、町民のみなさまの安全の確保や犯罪被害の未然防止を図るため、防犯灯の計画的な設置と修繕など適切な維持管理に取り組んでいます。
住民の安心・安全な生活環境の整備に向けて、まず現地を確認し、現況に応じて適切に対応いたします。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>