9月の定例議会で教育委員会の人事について審議され、教育委員会教育長に佐々木孝司氏(再任)、教育委員会委員に田村民雄氏(再任)にそれぞれ任命することに同意がなされ、10月1日付けで選任されました。任期は教育長が3年、委員は4年です。
■教育長再任のあいさつ
◇『協働の学び』
例年は夏の厳しい暑さも、太平洋の潮風が心地良く感じさせてくれる新地町ですが、今年の夏は過去に類を見ない耐え難い暑さが続きました。最近3年間の任期中、二度にわたる震度6クラスの地震や新型コロナウイルス感染症への長い対応期間がありました。教職員には、自宅の災害対応もある中で学校施設や通学路等、子どもたちの安心安全の確認に多くの時間を費やしていただきました。その教職員から、町行政の災害時の迅速な対応に感謝の言葉をいただきました。町行政には、東日本大震災を体験した多くの人材が残っています。当時の経験知をフルに発揮した素早い対応は見事でした。
いつしか新地町の風土に溶け込み、教育長として三期10年の歳月が流れました。町行政、町議会を始め、保護者の皆さんや教育関係者等の御理解と御支援を賜りながら歩んだ歳月です。学校では、社会問題化している不登校児童(病欠は除く)の出現は漸く影を潜めました。ICT活用教育では、求める情報をスピーディーに収集する力やグループ内のディスカッションで、聞き・話し・理解する力、さらにはグループの意見をまとめて発表する力が醸成されています。現代の教育では、一人一台のタブレットが必要不可欠な「文房具」です。国や県学力調査では近々に、大学入試や入社試験では既にICTが導入されています。ICT活用教育の先導者として、毎年開催している発表会は教師の資質向上に大いに役立っています。
また、第7次福島県総合教育計画の指標では、令和12年度には中学3年生の英検3級以上保持者50%を目標値としていますが、新地町では既に令和4年度に60%以上が合格しています。企業の「出前講座」、子どもたちが出向く「企業見学」や「職場体験活動」等から社会性や勤労観を養い、揺れ動く社会の中で果たすべき自分の役割を考えさせるキャリア教育も実践しています。
さらに、心身共に健康な生活を送るための「食育」にも視点を向けています。指導主事、栄養教諭、養護教諭、保健主事が「肥満防止」・「地産地消」を合い言葉に一丸となって取り組んでいます。今秋、食育指導部会は学校給食優良団体・功労者表彰の栄に浴しました。
現在、災害や感染症の影響で滞りがちであった公民館や図書館活動等に元気な姿が戻ってきました。スポーツや文化的行事にも町民の皆さんの意気込みが感じられます。市町村対抗の軟式野球、ソフトボール大会では選手のスムーズな世代交代も見え、応援席にいても若いエネルギッシュな躍動感を覚えます。町では文化財の学びを通して郷土愛を育み、文化財を身近に感じる楽しさを啓発するために三貫地貝塚里帰り展示「三貫地貝塚の暮らしと縄文人」を開催したり、学校教育副読本「わたしたちのまち新地」を指導主事と文化財担当職員及び教員がリニューアルする中、子どもたちは町の歴史や風土などと一緒に、新しい新地町を学習しています。
「人間はひとりでは生きていくことができない社会的生物です。」個人の力量も大事ですが、完璧ではありません。教育委員、教職員、職場の皆さん方と一緒に個々の知恵や能力を結集し、チームとして協働で学ぶことを基盤に据えた教育の推進に尽力いたします。
新地町教育委員会教育長
佐々木 孝司
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