■命にかかわる心筋梗塞・狭心症 -生活習慣の改善で予防しよう-
第9回 動脈硬化を予防しよう 脂質編-(3)
「先月号では、脳の変調を修正するために、タンサ(短鎖)脂肪酸が重要であることをお話ししました。タンサ(短鎖)脂肪酸は食物繊維を材料にして作られるため、食物繊維の摂取が必要であることがわかりました。」
「では、脳の変調を修正した後はどうしたらよいのでしょうか?肥満症診療ガイドラインには、「1日で500キロカロリー減らすこと」、と書いてあります。
1日に500キロカロリー減らすと、体の脂肪を60g減らすことが可能になり、1か月に換算すると1.8kgの体重減少が期待できます。
例えば、1日2000キロカロリーの食事(間食含む)を食べていた人が、1日1500キロカロリーに減らし、1か月続けると体重を1.8kgの減量ができる計算になります。」
「500キロカロリーか…。」
「自分の食事(間食を含む)を振り返って、よく食べているものはありますか?もしくは体重が増え始めたとき、何を食べていましたか?」
「間食の時よく食べるのはポテトチップスとか、菓子パンとかかなぁ。」
「では、例を挙げてみてみましょう。各食品の内容量やエネルギーは以下のとおりになります。
体の脂肪を減らせる量については、100キロカロリーで12gが目安となります。
よく食べるものの栄養成分表示を見てみましょう。
全く食べないのではなく、量を減らすことでも体脂肪は少しずつ減っていきます。」
「1か月に1.8kgじゃ、痩せた気がしないんだけど…」
「無理に痩せてリバウンドしてしまうと、糖尿病の発症のリスクが高まったり、心疾患のリスク因子をさらに増悪させてしまう恐れがあります。肥満症診療ガイドラインでは3か月から6か月で自分の体重の3~5%の減量が目安です。
日ごろの生活を振り返って、少しずつ生活を変化させていくことが大切です。」
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