■命にかかわる心筋梗塞・狭心症 -生活習慣の改善で予防しよう-
第10回 動脈硬化を予防しよう 高血圧編-(1)
「先月号までは、脂質編として余分な脂肪が動脈硬化を悪化させたり、異常な食欲など“脳の変調”を起こしてしまうこと、その脳の変調を治すためにはタンサ(短鎖)脂肪酸が重要であることや、減量方法などを学びました。今回からは、高血圧編として、動脈硬化と高血圧の関係についてお話しします。」
「ところで、そもそも血圧ってなんでしょうか?」
「今まで考えたことはなかったな。改めて考えると血圧ってなんだろう?」
「血圧は心臓から送り出された血液が血管の壁を押す圧力なんですが、次の二つで血圧が決められています。」
血圧を決める要因:
(1)心臓から拍出される血液量
(2)血管の太さ(硬さ)
「血管をホースに例えると、蛇口からちょろちょろと少ない水を流すより、ジャーッと水量が多い方が強い圧力がかかります。また、ホースが細かったり、硬かったりするほど強い圧力がかかります。つまり、心臓から送り出す血液量が増えたり、血管が細くなったり硬くなると血圧が上昇するのです。」
「なるほど。ホースの先をつまんで細くすると圧がかかって遠くに飛ぶもんね。」
(1)血液量の増加に影響するもの:
・食塩摂取量
・食塩排泄に関係するホルモンなど
(2)血液の太さに影響するもの:
・ストレス
・血管収縮するホルモンなど
「高血圧の状態が続くということは、自覚症状はなくても、体の中の血管には負担がかかっています。
高血圧が続くと、血管の内側の膜(内膜)が傷つけられ、傷ついたところから、コレステロールなどがしみ込み、プラークを形成したり、血管の壁を厚くして血液の通り道を狭くしたりします。これが動脈硬化です。」
「血圧が多少高くても体はなーんにも変わらないから大丈夫なのかと思っていたけど、実は体の中は大変なことになっていたんだね。血圧に影響するもののうち、ストレスとかホルモンなんかは変えるのが難しいけど、食塩だったら少しは変えられるかもしれないな。」
「それでは次回は食塩と血圧の関係についてお話しします。」
※図など詳細は、本紙またはPDF版13ページをご覧ください。
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