■命にかかわる心筋梗塞・狭心症-生活習慣の改善で予防しよう-
第11回 動脈硬化を予防しよう 高血圧編-(2)
「先月号では、高血圧の状態が続くと自覚症状はなくても、血管の内側の膜(内膜)が傷つけられ、傷ついたところから、コレステロールなどがしみ込み、プラークを形成したり、血管の壁を厚くして血液の通り道を狭くする(動脈硬化)ということがわかりましたね。」
「血液量が増えたり、血管が細くなったり、硬くなることも血圧が上昇する原因だったよね!」
「そうでしたね。今回は高血圧になる原因の一つである血液量に影響を及ぼす「食塩」についてのお話です。“塩をたくさん摂ると血圧が高くなる”とよく聞きませんか。なぜ食塩摂取量が多くなると血圧は上がるのでしょうか?」
「昔、生物は海から生まれました。ですから、体液や血液は海水の成分と似ています。海水は約3%の塩分濃度で、私たちの体も常に0.9%に保たれています。0.9%より高くても、低くても私たちの体は維持できません。」
昔は塩が貴重なものでしたが、現代では安価で、食品の保存にも役立つため余分に摂る生活になりました。
(おいしいから汁まで全部飲んじゃおう!)
味噌ラーメン 食塩相当量:約10g
塩分濃度を0.9%に保つために水を要求します(のどが渇く)。水を摂ることで血液量を増やし、塩分を薄めて濃度を保ちます。
「塩分摂取が多いと血液量を増やして体内の塩分濃度を保とうとしますが、血液量が増えることで高血圧の原因となります。そこで、厚生労働省では1日の食塩摂取の目標量を次のように定めています。」
▽1日の食塩摂取目標量
男性:7.5g未満/日
女性:6.5g未満/日(高血圧症等の方は6.0g未満/日)
※日本人の食塩摂取量の平均値は男性…10.9g/日、女性…9.3g/日(令和元年国民健康栄養調査)
柳津町の食塩摂取量の平均値は男性…9.5g/日、女性…8.8g/日(令和5年総合健診受診者の推定食塩摂取量)
「まだまだ目標には達していないんだね。どうやって控えたらいいのかな?」
「減塩の方法など、詳しいお話は次号でお伝えしますね。」
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