◆戦国時代の楢葉(2)~貴重な展示品を見てみませんか?~
大地とまちのタイムラインでは特別企画展『戦国時代の楢葉』を開催しております。みなさんご覧になりましたか?
展示室に入っていただくと、4つの展示ケースが目を引きます。今回はこの展示ケース内の展示品について紹介します。展示されているものは、16世紀の楢葉郡の様子を伝える古文書や、楢葉城跡や小塙城跡、井出城跡から発掘された戦国時代の陶磁器や鉄・銅製品、銭貨などです。町内の城館跡から出土した遺物を公開するのは今回が初めてです。
展示中の古文書は、戦国時代に楢葉郡を統治していた猪狩紀伊守親之の子孫に伝わった貴重な文書であり、今回は8点展示しています。その中でも、主君岩城氏から猪狩氏に宛てられた書状が3通あり、領民の軍事動員に触れたものや、鑓(やり)の柄の材料となる木材の確保依頼など、戦が身近にあった時代を感じさせる内容や、猪狩氏から6月(新暦7月相当)に送られた松茸に、ひときわ喜んで賞味したと伝える礼状からは、当時のいきいきとした君臣間のやり取りを伺うことができます。
城館跡の遺物に目を転じてみると、楢葉城址からは中国明朝期の青白磁片、高麗白磁とみられる白磁片などの輸入陶磁や鉄砲玉と見られる丸玉が展示され、岩城氏と相馬氏との戦いの場であったことを想像させます。小塙城址からは多数の陶磁器が展示され、この地を治めた有力者の城であったことが考えられます。また、井出城跡からは、城門建築に用いる飾鋲などが出土しており、城門の存在をうかがわせます。
古文書や、発掘された遺物は歴史を紐解く鍵であり、当時の様子を伝える貴重な資料です。特別企画展『戦国時代の楢葉』にお立ち寄りいただき、貴重な資料の数々をご覧ください。
◆楢葉町×東京大学総合研究博物館連携ミュージアム大地とまちのタイムライン開館一周年記念 令和6年度 特別企画展「戦国時代の楢葉」
開催期間:7月20日(土)~11月30日(土)
休館日:月曜日、国民の祝日
開催場所:大地とまちのタイムライン(楢葉町コミュニティセンター1階)
主催:楢葉町教育委員会・東京大学総合研究博物館
事業支援:公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進事業【大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤機構構築事業】
※史料保存のため、前期(7/20-9/29)と後期(10/1-11/30)で展示物の入れ替えを行います。
お問い合わせ先:生涯まなび課
【電話】0240-25-2492
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