◆町の財政状況分析
▽自主財源と依存財源
右の天秤をご覧ください。この天秤は現在の町の収入源を表しています。左側の「自主財源」とは、町が自主的に収入できる町税や使用料、手数料などのことです。〈表3〉この自主財源の割合は48.0%(前年度比7.9ポイントの減)となりました。一方右側の「依存財源」とは、使用用途がおおむね決められている国や県からの支出金、地方へ配分されている地方交付税などを表しています。楢葉町の天秤は、「依存財源」の比重が重くなっており、震災に伴って発生した復旧・復興事業が少しずつ収束に向かっているものの、防災機能の強化や交流人口拡大を目的とした施設をはじめとした整備事業や、移住・定住事業が展開され、これらに対する国や県の補助交付金や交付税措置などが増加しています。
次に、家計の安定性を見てみましょう。経常収支比率は70.4%(前年度比0.6ポイントの増)と前年度より弾力性が減少しております。公債費負担比率は借入れの返済が順調に行われているため1.4%(前年度比0.2ポイントの減)、財政力指数は0.73(前年度比0.04ポイントの減)と、ここ数年は減少傾向であるものの、家計は良好な状態にあるといえます。〈表4〉
また、財政の健全化を判断する指標は基準値を下回っており、現在のところ安定した状況を保っています。〈表5〉
▽財政指標でみる町の財政状況
[用語の解説]
・経常収支比率
財政構造の弾力性を表す比率。人件費、扶助費、公債費等の経常経費に町税、地方譲与税、各種交付金等の経常一般財源がどの程度充当されたかを見る指標です。
・公債費負担比率
公債費充当一般財源(地方債の元利償還金等の公債費に充当された一般財源)が一般財源総額に対し、どの程度の割合になっているかを示す指標であり、財政構造の弾力性を判断するものです。
・財政力指数
財政力の強さを表す指標。標準的な行政活動を行う経費に標準的な状態で徴収が見込まれる町税等の収入でどれだけ対応できるかを見るものです。
[用語の解説]
・実質公債費比率
総務省が平成17年度決算から導入した新しい財政指標で、自治体収入に対する借金返済額の比率をしめすもの。従来の起債制限比率には反映されなかった、一般会計から特別会計への繰出金も含まれ、自治体の財政実態をより正確に把握できるものです。18%以上になると、新たに地方債を発行して借金をする際、財政運営の計画を立てて国や県の許可が必要となります。
また、25%以上は単独事業の地方債が一部認められなくなり、起債制限団体となります。
・実質赤字比率
普通会計を対象とした実質的な赤字額の割合。
楢葉町では黒字のため、0%以下となります。
・連結実質赤字比率
全会計(一般会計のほか、公営企業会計以外の特別会計を含む。)を対象とした実質赤字額の割合。
楢葉町では一般会計から特別会計へ繰り入れを行っていること等により、全会計が黒字となることから、0%以下となります。
・将来負担比率
普通会計が将来負担すべき実質的な負債の割合。将来負担となるものには、地方債残高、特別会計や広域圏・企業団の起債の償還に充てる普通会計からの繰入金、退職手当支給予定額など。
楢葉町では充当可能財源があるため、0%以下となります。
▽町民1人及び1世帯当たりに換算すると?
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