3月は自殺対策強化月間です。
毎年日本では2万人超、本市では10人前後の自殺者がいます。
自殺は、その多くがさまざまなストレス要因が複雑に絡み合う状況の中で、心理的に追い詰められ、その結果自殺という選択肢以外考えられない状況に陥る「追い込まれた末の死」であると言われています。
「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現のためには、私たち一人ひとりが、こころの健康に関心を持つことが必要です。
■Q1 自殺に至るまでに、どのような要因があるの?
主な要因は下図のとおりですが、自殺には複数の要因が絡み合っています。1番多い要因が健康問題です。
健康問題の原因となる病気の中で最も多いのが「うつ病」です。自殺予防には、うつ病の早期発見と適切な治療が必要です。
○県の動機別自殺者数(令和2年)
出典:第4次福島県自殺対策推進行動計画
■Q2 うつ病って、どんな病気なの?
うつ病とは、こころと体の不調が長く(2週間以上)続き、日常生活に支障をきたしてしまう状態です。
○うつ病の主な症状
・熟睡できない
・食欲がない
・憂うつな気分
・何をやっても楽しくない
・集中力が続かない
・強い焦燥感
・疲れやすい
・動きが遅くなる
・自分を責める
高齢者のうつ病は、身体的な症状が強く表れるケースが多くみられます。
・頭痛
・めまい・耳鳴り
・肩こり
・胃の痛み
・息苦しさ
・下痢・便秘
こころと体への症状の表れ方は人によって異なります
悪化すると、過度なマイナス思考に陥り、判断力の低下により自殺リスクが高くなります。
休むだけでは回復が見込めず、適切な治療が必要となります。
■Q3 どんな人がうつ病になるの?
きちょうめん、まじめ、完全主義、仕事熱心、強い責任感、頼まれると断れないタイプの人がなりやすいと言われています。心配や過労・ストレスが続くと誰でもうつ病になる可能性はあります。うつ病は、特別な人がかかる病気ではなく、誰もがかかる可能性がある病気です。(生涯に約15人に1人が罹患(りかん)しています。)
■Q4 「自分はうつ病かも」と思ったときはどうしたら良いですか?
心療内科や精神科など、専門医への受診が一番です。ハードルが高ければ、まずはかかりつけ医に相談しましょう。治療開始が早いほど、改善しやすくなります。うつ病は脳の神経機能に変調をきたしているので、それを改善するのに薬を服用することは、とても重要です。
■Q5 うつ病を予防するには、どうすればいいの?
うつ病を予防するためには、心の不調に早めに気づき対処することが大切です。いつもと違う、自分の変化(ストレスサイン)に気づいたら、自分に合った方法で上手に発散することが大切です。
・その日のストレスはその日のうちに解消しましょう。
・ストレス解消法を数多く持つことが心の健康維持につながります。
・自分の力で解消できない時には専門家に相談することも必要です。
○ストレス対処法の例
・スポーツなどで体を動かす
・旅行を楽しむ
・趣味に没頭する
・ゆっくりお風呂に入る
・友達、家族に話をする
・十分に休養をとる
・考え方を変える
・解決をあきらめる
・自分をほめ、認める
・大笑いする など
■Q6 「うつ病かもしれない」と思う人が身近にいるときは、どうしたら良いですか?
うつがひどくても、本人は気づかずに悩んでいることが多いです。家族や友人、同僚の気づき・声かけが必要になります。勇気を出して、ゲートキーパー(※1)として悩みを抱えた人に支援していくことが必要です。
(1)気づき、声をかける
身近な人の様子の変化「心のSOS」に気づいたら、勇気を出して声をかけてください。
(例)疲れているみたいだけれど、眠れている?「あなたを心配している」という気持ちが伝わるように、温かみのある言葉をかけましょう。
(2)傾聴する
相手の気持ちを尊重し、じっくり話を聞いてください。「大変だね」「つらいね」等と共感してください。「死にたい」と気持ちを打ちあけられたときは、話題をそらしたり否定せず、ひたすら耳を傾けて聴いてください。
(例)「死にたいほどつらいんだね」「苦しかったんだね、良ければ話をきかせて」等
※こんな言葉(助言・否定)はNG!×
「がんばろうよ」「そんなふうに考えちゃダメ」「つらいのはみんな一緒だよ」「病は気の持ちようだよ」
(3)つなぐ
問題をきちんと解決するためには、専門家の力が必要です。本人の気持ちをしっかり受け止めた後、具体的な相談窓口や医療機関があることを伝え、可能であれば相談先に同行するなど適切な支援につなぐためのサポートをしましょう。
※1 ゲートキーパーとは…自殺のサインに気づき、適切な対応をとれる人。特別な資格は必要ありません。
■Q7 心の健康について相談先は?
・田村市こころの健康相談
・まもろうよ こころ
(※二次元コードは本紙またはPDF版をご覧ください。)
■「心と命のサポートのためのコーナー」開設
市図書館では、3月の自殺対策強化月間に心の健康に関する本や生きる支援となる本をご紹介していますので、ぜひご家族でご利用ください。
問合せ:保健福祉部 保健課
【電話】81-2271
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