■地域の公共交通を支える方たちの、それぞれの想い
▽白河市地域公共交通活性化協議会 矢内 文一(なやい ぶんいち)委員
公共交通の利用者は年々減少し、公共交通を取り巻く環境は厳しくなっています。公共交通に対する人々の関心が現状のままであれば、公共交通の維持は今後加速度的に難しくなると感じています。
高齢化が進む社会で、公共交通を維持・発展させていくことは、質の高い生活を確保するための大きな要素であると感じる一方、このままでは必要な時に必要なサービスが受けられなくなってしまうと懸念しています。
今、公共交通を必要としている方だけでなく、普段自家用車を利用している方も含め、将来の自分や家族のために公共交通の役割を考える時間を作ってみてください。
▽福島交通(株)白河営業所 力丸 博幸(りきまる ひろゆき)所長
バスの乗り方教室などを実施し、利用者を増やす取り組みをしていますが、さらなる利用促進が必要と感じています。
当社の路線バスでは「バスロケーションシステム」を導入しており、バスの位置情報をリアルタイムで確認できるほか、近々、クレジットカード・QRコード・電子マネー決済システムを導入予定で、利便性の向上に向けた取り組みを進めています。関の森公園が終点の「白河の関線」がありますので、親子でバスを利用していただきたいです。
市民の足として公共交通の役割を果たしていくため、利用者の皆さまや行政と協力しながら持続可能なバス運行を目指していきます。
▽ジェイアールバス関東(株) 白河支店 宮本 昭一(みやもと しょういち)支店長
利用者減少が続く中、事業者・行政・地域が一体となって公共交通を利用していただく仕組み作りが必要と考えています。当社では安全が最優先であります。その中で安全教育に力を入れた指導や研修など、安全安心を提供するために全力で取り組んでいます。
白棚線は開業67年を迎える歴史ある路線です。インターネット限定で、1日フリー乗車券を販売しているほか、5月中旬からSuica機能を搭載したICカードが利用でき、キャッシュレス化により利便性も向上します。
沿線には南湖公園やラーメン店が多くありますので、ぜひ白棚線を利用して、市内を満喫していただきたいです。
■未来へつなごう公共交通
近年、全国各地で経営状況の悪化などを理由に、事業の撤退や路線の廃止などが相次いでいます。本市も決して例外ではなく、利用者数がこのまま減少し続ければ、経営状況はますます悪化することになり、今ある公共交通を維持することが難しくなってしまいます。
では、公共交通を将来につなげていくためには、どうしたら良いのでしょうか。そのためには、多くの方に利用いただくことが何よりも大切です。市民一人ひとりが年1回ずつ公共交通を利用するだけでも、大きな効果があります。
この機会に「地域の公共交通は地域の住民が守っていく」という意識を持ち、積極的に公共交通を利用しましょう。
■お知らせ
▽バス・タクシー移動支援助成券
高齢者や障がい者(運転免許証を持っていない方)、妊産婦の移動を支援するため、バスとタクシーで利用できる助成券を交付します。対象者や申請方法など詳しくは、市ホームページをご覧ください。
▽バスの乗り方教室
市では、市内のバス事業者が講師をする「バス乗り方教室」を実施しています。実際の車両を使用した乗車体験もできます。
高齢者サロンや小・中学校のほか、開催を希望する施設・団体がありましたら、気軽にお問い合わせください。
問合せ:生活防災課
【電話】内2706
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