内科 長野展久
■漢方薬って効くの?
○漢方薬と聞いてどのようなイメージですか?
苦い、まずい、飲みづらいなどという感想をよく耳にしますが、漢方薬の魅力は「何でも治す可能性を秘めている」ことにあります。しかもある種の西洋薬でみられる依存症や離脱症状は漢方薬になく、食べものの延長と考えて差し支えありません。
そもそも「漢方」は中国からの直輸入でなく、5-6世紀ころに中国から伝来した医学が1400年以上かけ日本の風土や気候、日本人の体質に合わせて独自に発展した「日本の伝統医学」です。
私たちが慣れ親しんでいる「西洋医学」は心と身体(臓器や器官)に分けて病気の原因を探しだし、部位を絞ってピンポイントの治療を行います。それに対し「漢方医学」は心と身体は一つと考え、心身のバランスが崩れて病気となり、漢方薬で心身を整えることを目指します。
具体的な例として風邪で高熱を出し、のどが痛く、鼻水が出ているケースを考えてみましょう。そもそも風邪で高熱が出るのは、体温を上げて免疫を活性化させ、ウイルスへの攻撃力を高めるためです。この場合西洋医学では解熱薬、痛み止め、鼻炎薬など症状一つ一つに薬を用意します。それに対して漢方医学では、風邪のひき初めで免疫力を高め上手に体温を上げる効果のある「葛根湯」や「麻黄湯(まおうとう)」をうまく使います。つまり一つの漢方薬でさまざまな症状に対処することができるわけです。
これからも西洋薬と漢方薬の両方を組み合わせて、皆様に最適な治療をお届けしたいと思います。
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