イラストレーターだけでなく、防災士としての一面も持つico.さん。被災から安全確保までのシミュレーションをすごろく風にしたイラストを製作するなど、防災につながる活動に取り組んでいます。
そんなico.さんにお話を伺いました。
◆防災士になったきっかけ
平成23年からフリーのイラストレーターとして活動しており、当時住んでいた宮城県名取市で東日本大震災を経験。その後移住した福島市では令和元年の東日本台風を経験しました。この2回の被災経験を広く伝えることで、皆さんの防災活動につながればと考え、まずは備忘録として自分の被災体験を4コマ漫画で描いたのが始まりです。令和4年5月には、ご縁があって福島市で防災をテーマにしたイラスト展を開催する機会をいただきました。今まで伝えてきた被災経験だけではなく、正しい知識に裏付けられた防災に役立つ情報も伝えていく必要があると思い、防災士資格を取得しました。
◆「もしもすごろく」を製作したきっかけ
当初は4コマ漫画で被災経験を伝えていましたが、コマ数が短いと時系列が分かりにくいと感じていました。また、私の被災体験を伝えることで、見た方が自分事のように考えていただければという思いがありました。すごろくという形であれば、スタートを自分の家に置き換えたり、ゴールを近くの避難所に置き換えたりすることで、より時系列に沿って、被災経験を自分事(じぶんごと)化できると思い、すごろく風のイラストを製作しました。
◆「もしもすごろく」の活用方法
すごろくに描いてある内容を「これが自分の家だったらどうだろう?」と思って活用していただきたいです。さまざまな方に気軽に体験していただくため、ホームページ(防災ポートフォリオ)で無料公開しています。
◆日頃の備え
私はいつも防災グッズを詰めた防災ポーチを携帯しています。外出先などでの被災に備えて最低限必要なものだけ入れています。令和元年の東日本台風の時は、特にアルミブランケットが役立ちました。軽くて小さく収納できるのにとても温かかったです!
◆これからの展望
防災士は、地域に寄り添って、市民、行政、企業それぞれの橋渡しになることが役目だと考えています。例えば、避難所にどんな備蓄品があるかなど、市民には意外と分からないことがたくさんあります。防災士としての知見を活かしながら、イラストにして分かりやすく伝えていきたいです。
○防災士・イラストレーター
ico.(イコ)さん福島市在住。グラフィックデザイナーを経てフリーのイラストレーターに。企業広告や雑誌の挿絵などを手掛ける傍かたわら、防災士としても活動。自身の経験を踏まえながら、災害への備えを描いたイラストを、防災イラスト展やワークショップ、ホームページなどで発信している。
○防災ポートフォリオ
防災知識や被災体験談などのイラストや漫画、すごろくを公開しているホームページです。
※自由にダウンロード・コピー可。防災教育の資料などに活用できます。
※QRコードは本紙P.2をご覧ください。
[Check]防災クイズ
Q.地域の防災リーダーとして期待される福島市の防災士資格者は何人?
(1)約6人
(2)約60人
(3)約600人
A.(3)約600人
日本防災士機構によると、令和6年3月時点で福島市には684人の防災士が登録されています。
Q.危険が迫ってきたら、ためらわずに避難が必要です。正しい避難は?
(1)避難所へ逃げる
(2)家族で決めた安全な場所へ逃げる
(3)安全な親戚や知り合いの家へ逃げる
A.すべて正解です。避難所へ向かうことだけが避難ではありません。
Q.ペットと同じスペースに避難できる避難所は?
(1)勤労青少年ホーム
(2)NCVふくしまアリーナ
(3)学習センター
A.(1)勤労青少年ホーム
勤労青少年ホームはペット同伴避難が可能です。そのほか、市内全ての避難所でペット同行避難が可能です。
[Check]避難所にあるものの例
※詳細は本紙P.3をご覧ください。
避難所の備蓄品には限りがあります。
もしもの時のために普段から家庭で備蓄品を備えましょう。
問い合わせ:危機管理室
【電話】525-3793
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