■今回のテーマ「熱中症対策と、水分・塩分補給」
◆熱中症予防には、こまめな水分補給
暑い時期になると、皮膚から水分が蒸発する量が増え、体内の水分が不足しやすくなります。屋外での運動や作業のみならず、エアコンをつけない夏の室内や風通しの悪い室内も、高温で汗をかきやすい環境となり、脱水が起こりやすくなります。
このような熱中症の危険が高まる環境では、暑いと体感していなくても、エアコンをつけたり窓を開けて換気すること、水分を十分にとることが必要です。環境省の熱中症予防サイトでは、1日あたり1.2ℓを目安としたこまめな水分補給を推奨しています。
◆塩分よりも水分を意識!
発汗により、塩分やカリウムなどのミネラルがいくらか失われますが、汗に含まれる塩分は0.3~0.4%程度といわれています。つまり、500mlの汗をかくと、2gの塩分が失われることになります。
しかし、人間のからだには、体内の塩分量(ナトリウム量)を一定にするはたらきがあります。また、普段の食事にも塩分が含まれていますが、特に福島県の塩分摂取量は1日10g前後と、必要量をはるかに超えています。
そのため、よほどの炎天下で長時間激しい運動をしない限り、意識的に塩分をとる必要はないと考えられます。
塩分よりも、水分をとることを意識しましょう。
なお、腎臓病の方や血圧管理の必要な病気の方に関しては、意識的な塩分補給は病気を進行・悪化させる原因となりますので、汗をかく季節であっても減塩に努めましょう。
○[参考]食品や飲料に含まれる塩分量
出典:日本高血圧学会
◆尿中塩分検査で、日頃の塩分摂取量を知りましょう
今年度より、集団健(検)診で特定健康診査および後期高齢者健康診査を受ける方を対象に、「尿中塩分検査」を実施します。通常の尿検査と同じく、朝一の尿を提出するだけの簡単な検査です。
1日に摂取した塩分量と尿中に排出された塩分量はほぼ同じなので、尿中のナトリウムとクレアチニンの量を測定し、1日にどれくらいの塩分をとっているかを知ることができます。
おおむね前日の食事で摂取した塩分が反映されるため、食事記録と結果を照らし合わせて確認してください。
※集団健(検)診についての詳細は、本紙12・13ページをご覧ください。
◆減塩レシピ紹介 ~漬物よりも、酢漬けの力で、暑い夏を乗り切ろう~
○ピクルス(2人分)
1食1人あたりの塩分:0g
材料:
・お好みの野菜…300g(セロリ、きゅうり、パプリカ、人参など)
・[A]酢…大さじ4
・[A]水…大さじ3
・[A]きび砂糖…大さじ3
・[A]ローリエ…1枚
・[A]赤唐辛子(輪切り)…適量
作り方:
(1)野菜を食べやすい大きさに切り分け、ボウルに入れる。水気をふき取り、保存用袋か瓶に入れる。
(2)[A]を鍋に入れて中火で熱し、沸騰したら火を止め、よく混ぜる。粗熱が取れたら(1)に入れ、冷蔵庫で一晩おいたら完成。
※酢の代わりに、すし酢やらっきょう酢で代用できますが、塩分や砂糖が含まれていますので、分量を加減してください。
ピクルスの健康効果:
・疲労回復…酢酸やクエン酸が疲労物質を分解し、体力を回復させる
・便秘解消…腸内環境を整え、老廃物を排出する
・高血圧予防…酢酸が血管を拡張させ、血流を改善する
・血液サラサラ効果…アミノ酸が血液をサラサラにし、善玉コレステロールを増やす
次回も、「減塩」をテーマにご紹介します。
1日の塩分摂取目標は、男性が7.5g未満、女性が6.5g未満です。福島県は塩分摂取量が全国ワースト2位であり、日常的に塩分を多くとる食生活となっています。しょうゆは減塩を選び、スプレー式やボトル式を使用するなど、日頃のちょっとした心がけから減塩に取り組みましょう。
健康のことや人間ドックを含む健康診断の結果などで気になることがありましたら、下記までご相談ください。保健師・管理栄養士がご相談に対応します。
問合せ:健康推進課(保健係)
【電話】25-1115
<この記事についてアンケートにご協力ください。>