■鈴木 優作さん Suzuki Yuusaku
キャンプを通して森林や林業の抱える課題を知ってもらおうと取り組む(株)アメリカ屋の鈴木さん。活動への思いを伺いました。
◇森林の未来は“木材をどんどん使うこと”にある
私たちの身の回りには木でできたものがたくさんあり、木は昔から私たちの生活を支えてくれています。でも、森林は放っておくと老木が増え、枯れていってしまいます。そうならないよう適切に伐採し、コーディネートする仕事が林業です。私の家では祖父の代から林業を営んでいて、伐採した木材をシイタケの原木やチップに加工するなど、資源として無駄なく使っています。
ところが、東日本大震災以降、福島では所有者不明で放置される森林が増え、木材の出荷が低迷し、積極的に伐採できない状態が続いています。これを解決するには、より多くの人に林業の今を知ってもらい、木材をもっと使ってもらうことが大切だと思いました。
そこで目を付けたのが、幅広い世代で人気のキャンプです。伐採した木材を、焚き火の薪としてどんどん使ってほしい。林業で使う道具も紹介し、林業に親しみを持ってもらいたい。そんな思いから、3年前にアウトドアショップ“LOGGERS Gear Supply(ロガーズ ギア サプライ)”をオープンしました。店舗にはカフェもあり、林業を全く知らない人でも気軽に来れるような空間づくりを意識しました。今では林業の抱える課題に共感し、薪を繰り返し購入してくれるお客さんも増えてきたので、とてもうれしいですね。
今月には、森林の中でキャンプや薪焚(まきだき)サウナなどを楽しめる施設を、磐梯熱海駅から車で15分ほどの場所にオープンします。これからも多くの人に木と触れてもらうきっかけをつくり、みんなで森林を支えていきたいです。
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