■一月
新年おめでとうございます。毎年二度、新年の御挨拶の欄を賜り恐縮に存じます。年齢によっては「めでたくもあり、めでたくもなし」(一休禅師様のことば)ですが、人生百年時代、「今ここ」を見つめる「マインドフルネス」のもと、絶えず自問自答し、昨年に続き「なぜなぜ坊や」を続けます。
平面の日本地図を見ますと、四島(北海道、本州、四国、九州)中、北海道の納沙布(のさっぷ)岬が最東端なので、最も早く初日の出を見ることができそうです。しかし実際には、千葉県の犬吠埼(いぬぼうざき)が日の出時刻6時46分と平地で最も早い地点(国立天文台ウェブサイトから)。日本列島が地「球」上の列島だからなのです。平面図ではなく、立体図で考えなければならない一例と「ナットク」。
四島で最も日の出が遅いのは福岡県、長崎県の7時23分です。つまり日本列島はこの時期、東西時差37分、ほぼ同時刻の時差なき国家。平面図だけではなく、三次元情報を加えて考えるべし、という新知見のお年玉に恵まれました。また、四季によっても時差が変わるので、「時間軸」という四次元情報も重要です。
しかし、現実は二次元思考に満ちています。例えば都市計画法、建築基準法はその典型例。日本列島は平面で、気候も生活様式も全国同じ前提で制定されたと思わざるを得ません。技術革新や国際情勢などの変動により改正はありますが、「原曲に手を加えた編曲の如し」です。また、時間距離は短縮の一途ですが、それだけでは平面地図的発想で、トランスフォーメーション(変革、変身、変化)不足です。皆様にそもそも足を運ぶ必要がないシステムに、市役所も「ヘンシーン」を目指します。
郡山市長 品川 萬里
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