郡山市制施行100周年記念「郡山の誇り」vol.9

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■楽都郡山
戦後の郡山にとって、音楽は元気や希望をもたらす光となりました。時を越え音楽都市となった今、豊かなハーモニーがまちに響いています。

◆市民が創り上げた音楽のまち
戦後の郡山では、音楽団体が結成されるなど、音楽は復興を目指す市民の心の拠り所となりました。音楽への関心が高まる中、1954年に国鉄郡山工場の大食堂で、NHK交響楽団が演奏会を開催。郡山音楽協会などが主体となり、貴重な機会を無駄にはできないと、音楽のまちづくりへの強い思いで実現したものでした。この演奏会は、本格的な音楽施設を望む声につながり、後に「市民会館」建設のきっかけにもなりました。
1964年には、街頭で市民が一斉に歌う「10万人コーラス」運動が始まりました。そして、翌年の安積郡9町村・田村郡3町村の合併を機に、市内合唱団などを含めた「20万人コーラス」へと拡大。この変遷は後に、映画「百万人の大合唱」として描かれました。
今では、故・湯浅譲二さんをはじめとする数多くの著名な音楽家を輩出している郡山。市民が紡いできた音楽の歴史は、2008年の音楽都市宣言につながり、「楽都郡山」として新たな一歩を踏み出しました。

○NHK交響楽団の郡山公演(1954年)
当日は約5,000人の聴衆が来場。ベートーヴェン作曲の「田園」など名曲が披露され、この公演は本市での演奏機会が増えるきっかけとなりました。

○東宝映画「百万人の大合唱」(1972年)
音楽のまちへ生まれ変わった郡山が舞台の映画。音楽のまちとしてのイメージアップにつながり、今でも図書館で貸し出されています。

○音楽都市宣言(2008年)
学生の音楽分野における活躍や、本市の音楽の発展を受け、音楽によるまちづくりをさらに推進するため、「音楽都市」を宣言しました。

◆音楽が身近にあふれている
合唱や器楽を中心に音楽が盛んな郡山。これまでに多くの団体が全国トップクラスの成績を収め、プロの音楽団体が設立されるなど、郡山の音楽は日々発展し続けています。
今では、学生がプロ奏者から指導を受けられる機会や、市内各所で開かれるホールコンサート、まちなかで誰もが好きな音楽を発信し楽しめる音楽イベントも開催。市民が音楽に親しみ、身近に楽しめる機会が充実しています。
まちにあふれる音楽は、豊かなハーモニーを響かせ、これから先も人々に元気や希望を与えていきます。

○郡山市音楽の日
毎年10月第一日曜日に開催される大規模イベント。多くの市民団体などが参加し、まちが音楽でにぎわいます。

○郡山交響楽団の発足(2021年)
郡山を一流の音楽都市にしたいという想いで設立。プロオーケストラが無かった郡山に、ゆかりある演奏家を集め楽団が結成されました。

○学生団体の全国的な活躍
全国大会でも、上位の成績を収める学生団体が多い郡山。小・中・高校と年代を問わず、合唱や器楽といったさまざまな分野で多くの学生が活躍しています。

○ホールコンサートの開催
本市にゆかりのある音楽家などの演奏を無料で聴けるコンサート。2007年に始まり、これまでに130回以上開かれています。

◆音楽関連の施設・スポット
○ミューカルがくと館
音楽の練習や発表会、コンサートができるよう、練習室やホールを複数備え、誰もが音楽に親しめる施設です。

○開成山野外音楽堂
開成山公園内に設けられ、各種コンサートやイベントなどを開放的な空間で楽しめる施設です。

○オリジナルラッピングピアノ
市制施行100周年を記念し製作されたピアノ。ストリートピアノとして商業施設などで展示されています。

○音楽がモチーフのベンチ
2006年に始まったコンテストを経て製作されました。作品は駅前などに設置され、楽都郡山を印象づけています。

◆〔Interview〕音楽を生かし活気あるまちを創る/郡山市音楽の日実行委員会　実行委員長　大槻　俊介さん
○みんなで創る音楽イベントを目指して
誰もが自由に音楽を表現し、まちを盛り上げられたらと、毎年「郡山市音楽の日」を開催しています。市民が参加するだけでなく、主体となり創るイベントを目指し活動しています。今年はメインステージのバックパネルデザインコンテストを進めるなど、音楽以外の要素も取り入れています。

○音楽と人々の力で、活気あふれるまちに
私たちが主となり始めた活動も、今では自らステージを運営する出演者もいるんです。私たちのバトンが、多くの人へつながっている実感がありますね。これからもみんなの“やってみたい”を取り入れ、参加する全員が主役の音楽イベントを実現し、活気あふれるまちにしていきたいです。