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自治体の皆さまへ

〔特集〕「今日からできる」3つのステップで多様性を日常に(2)

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福島県郡山市

■ステップ2 知る
◆それぞれが思う多様性の大切さ
多様性社会の実現のため、皆さんはどう行動したり、考えたりしているのでしょうか?さまざまな立場にいる皆さんに「多様性の大切さ」を伺いました。

○日本のルールを知る、相手の文化を知る。相互理解で国際的なまちへ
合資会社マヌシ代表、郡山市外国人児童生徒等教育相談員 ゴダール マノジョ バハドゥールさん
ネパール出身。料理店を経営しながら、在留ネパール人のサポートやその子どもの日本語教育も行う。

留学を機に来日して10年。アルバイトや仕事を通じて、日本の素晴らしい文化やおもてなしを学びました。その経験を生かし郡山に暮らすネパール人に、言葉だけではなく、まちで生活するためのルールやマナーなどを教えたり、日本人にも外国の文化を知ってもらう機会をつくったりしています。私にとって自然豊かな郡山は暮らしやすく、みんな親切で大好き。言葉の壁はあってもお互いの理解が進めば、より国際的で素敵なまちになると思います。

○性別でカテゴライズせず、一人の人間として向き合える社会に
郡山にじいろサークル 廣瀬 柚香子さん
性的指向や性自認に悩む人々の居場所にしたいという思いでサークルを立ち上げ、講座や発信などの活動を行っている。

周りに打ち明けられない、自分が何者かも分からない。性的マイノリティの中には私のようにLGBTQ(※)の枠に収まらず、一人で苦しんでいる方もたくさんいます。複雑ゆえ、世間になかなか理解されない現状ですが、男性・女性でくくらず、でも特別扱いもせず、一人の人間として向き合ってほしいというのが私たちの望む社会です。形だけのジェンダー平等で誰かが我慢を強いられることがないよう、当事者が参加できるまちづくりを進めていけたらと思います。

※LGBTQとは?
L…レズビアン(女性同性愛者)
G…ゲイ(男性同性愛者)
B…バイセクシュアル(両性愛者)
T…トランスジェンダー(性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)
Q…クイアやクエスチョニング(性自認が定まっていない人)
それぞれの頭文字をとった言葉。
LGBTQだけでは表せない個々人の性の在り方があり、近年はそれらを含めた「SOGI(性的指向・性自認の概念)」を使うことが推奨されています。

○心の面でも物理的な面でも、誰もが暮らしやすい社会へ
社会福祉法人 ほっと福祉記念会 就労継続支援A型事業所 Sweet hot(スイートホット)岡部 早苗さん・藤田 好美さん
就労支援を目的にさまざまな障がいがある人々が働くカフェで、岡部さんは施設長として、藤田さんはメンバースタッフとして勤務。

カフェで働く障がいのあるスタッフ一人ひとりの特性はさまざまですが、互いに助け合いながら、みんな日々成長しています。共に働くうえで、成長のための厳しさも時には必要ですが、一人ひとりの可能性を信じ、得意なことを伸ばすことを大切にしています。しかし、車通勤ができないメンバースタッフから「バスの本数が減って通勤がたいへん」といった声も聞かれます。社会全体がこうした不便さを〝自分事〟として捉え、改善していけば、誰もが暮らしやすい社会になるのではないでしょうか。

○男性も女性も不満が無い、豊かな人があふれるまちになれたら
しゅふコミ代表 横尾 恵美さん
妊産婦向けイベントの開催や家庭の悩み相談、企業とのコラボ企画などさまざまな事業を行っている。

昔は「女性は家庭を守るべき」という考え方が強かったですが、今は共働きで子育てをする家庭も増え、家事・育児も家族で協力して行うのが普通になっていますね。それに伴って、子育て世帯を取り巻く職場や地域なども変化していかなければならない時にきています。性別に関係なく社会の一人ひとりが広い視野と、お互いの背景を考えられる想像力をもって日々過ごせば、さまざまな気付きがあるかもしれませんね。

○男性も家事・育児を行う時代。その中で、父親としての役割を努めたい
陸奥テックコンサルタント株式会社 渡辺 康友さん
渡辺さんが勤める会社は「子育てサポート企業」に認定され、男性の育児休業取得率は100%を達成。男性社員の育児参加を積極的に支援している。

働き方改革が進み、私の会社も以前より男性の育休取得期間が長くなったり、妻や子どもの急病で休むときも周りがサポートしてくれたりと、理解が深まっています。私も共働きで育児を経験し、母親や妻の偉大さを改めて実感しました。家庭での役割分担はもちろん、困った時は夫婦でサポートし合い、また父親・母親としての優しさや厳しさを持って、子どもたちと向き合っていきたいです。家庭から社会へ、お互いを尊重し合う風土が広がればと願っています。

■ステップ3 考える
◆多様性をテーマにしたイベントや講座に参加してみませんか?
○第23回福島県男女共生のつどいand郡山市男女共同参画フェスティバル2024 ~多様性を尊重し合い輝く社会のために~
日時:11月10日(日)午後1時〜4時
場所:けんしん郡山文化センター
内容:講演会「新しい時代の働き方」、川柳コンクール表彰式、太鼓演奏・合唱ほか
講師:山口 真由さん(弁護士・信州大学特任教授)

問合せ:さんかくプラザ
【電話】924-0900

○2024(令和6)年度 LGBTQ研修
日時:11月16日(土)午後1時30分〜4時10分
場所:総合福祉センター
内容:講演会「もしも、LGBTQだとカミングアウトされたら、どうする?」、座談会
※座談会のみ予約制
講師:渡邉 歩さん(NPO法人共生ネット副代表理事・筑波大学人間系研究員・公認心理師)

問合せ・申込み:男女共同参画課
【電話】924-3351

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