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自治体の皆さまへ

〔特集1〕誰もが、自分を大切にできる社会へ(2)

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福島県郡山市

■こころのSOSに気づくため、私たちができることは?
◇誰にでもできる支援「ゲートキーパー」
どんな専門家でも、精神的に追い込まれた方を100%救うのは難しいことですが、小さな不安や悩みがあるとき、周りの人が気付いたり、やさしく声を掛けたりするだけで、少し前向きになれるかもしれません。
「ゲートキーパー(=命の門番)」とは、自殺の危険を示すサインに気付き、適切な対応を図ることができる人のことです。責任が大きいイメージがありますが、資格は必要なく、誰でもできる支援です。家族や友人に落ち込んでいる様子が見られたら、声を掛けてみたり、話を聞いてみたりしてください。そんな小さな行動が、ゲートキーパーの大きな役割につながります。
※市では医師会や警察署、NPO法人が参加する郡山市セーフコミュニティ推進協議会自殺予防対策委員会と連携しながら、ゲートキーパー養成講座を定期的に開催しています。

◇ゲートキーパー4つの役割
・温かく見守る
温かく寄り添いながらじっくりと見守る。

・変化に気付く
家族や仲間の変化に気付いて声を掛ける。

・支援先につなげる
早めに専門家に相談するよう促す。

・じっくりと耳を傾ける
本人の気持ちを尊重し耳を傾ける。
「話してくれてありがとう」という気持ちで話を聞きましょう。本人を責めたり、相手の考えを否定したりすることは避けましょう。

これらの4つの役割が期待されていますが、そのうちどれか1つができるだけでも、悩んでいる方にとっては大きな支えになるかもしれません。

○声掛けのポイント
「よく眠れている?」「何か悩んでる?よかったら話して」「何か力になれることはない?」など、温かく声を掛けてみましょう。

■voice 3 郡山市セーフコミュニティ推進協議会自殺予防対策委員会委員長 川上さん
◇多くの人をゲートキーパーに
ゲートキーパーができることはささやかなことかもしれません。でも「そんな人が周りにたくさんいる」と思えば、世の中の見方がちょっと変わりませんか?私も理容師の仕事柄多くの方と接しますが、SOSを見逃さないよう意識しています。みなさんもぜひ一度ゲートキーパー養成講座に参加してほしいです。周りの人に対する意識がやさしく変わるはずですから。

■voice 4 日本大学工学部 学生 岡谷さん
◇命の大切さを伝えたい
今、自殺予防対策委員会と大学の仲間で絵本作りを通し、子どもたちに自分と心の大切さを伝えるプロジェクトに取り組んでいます。みんながお互いに悩みを話す・聞くということが、歯磨きのように習慣化していけたらいいですよね。私も中学・高校で、いじめや成績不振で辛い学校生活を送っていました。同じように悩む子どもたちに、寄り添える大人になっていきたいです。

■voice 5 自死遺族自助グループ「えんの会」代表 齋藤さん
◇やさしい人がやさしいままで生きられる社会に-
私たち「えんの会」は2008年から郡山市を中心に活動する、自死遺族自助グループです。私は当事者になるまで自死は他人事だと思っていましたが、母が亡くなり自死遺族となったことで、自死はいつ誰にでも起こりうるということを知ると同時に、亡くなった方や遺族への偏見や差別が大きな問題であることを実感しました。
自死に追い込まれた方は、生きていたいのに、生きていられないほどの苦悩を抱えて亡くなりました。家族や周囲に気付かれないよう必死に普通を装い、一人で抱え込んで追い込まれていく人もいます。遺族は、亡くなった人を救えなかった自分を責め、苦しみます。だからこそ、他の誰も自死してほしくないのです。
自死はその多くが社会的な要因が複雑に重なり、追い込まれた末の死と定義されています。問題や悩みを抱えることなく生きられるためには、一人ひとりが自死を他人事ではなく自分事として考え、その広がりで社会も変わっていくことだと思います。もちろん社会全体の仕組みや施策を作っていくことも必要です。「えんの会」も、自死のない社会となるよう遺族同士のつながりを保って活動していきます。

■えんの会
「えんの会」は毎月わかちあいの開催による、遺族同士の相互扶助活動をしています。法的な問題を抱えた遺族の相談に乗り、全国の自助グループや研究者、専門家と連携して遺族への総合支援の活動を行っています。

「えんの会」によるわかちあいは、毎月第2土曜日に、郡山駅前ビッグアイ7階の市民交流プラザで行っています。匿名で自由に参加でき、事前の申し込みは不要です。参加は無料です。

【メール】ennokai_cs-koriyama@yahoo.co.jp
【電話】090-9632-3202(齋藤)

■生きるのがつらい、話を聞いてほしいと思ったら…
◇電話相談
・福島いのちの電話
【電話】024-536-4343
(10:00~22:00、第3土曜日10:00~翌朝10:00)

・福島県中・県南地域若者サポートステーション
【電話】024-954-3890
(火~土10:00~18:00)

・福島県ひきこもり相談支援センター
【電話】024-955-6203
(火~土9:30~17:30/予約制)

◇オンライン相談
・福島いのちの電話メール相談
・NPO法人自殺対策支援センター「生きづらびっと」LINE相談
・オンライン相談KOKOROBO(ココロボ)
※本紙各二次元コードをご参照ください。

■自殺予防パネル展
3/1(金)~3/11(月)
3月の福島県自殺対策強化月間に合わせて、自殺予防についての周知啓発を図るため、パネル展示を行います。
会場:
イトーヨーカドー郡山店4階専門フロア
中央公民館1階エントランスホール
中央図書館1階入口パネル展示スペース

問合せ:保健・感染症課
【電話】024-924-2163

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