■祭り
地域や季節の特色を生かした、魅力ある郡山の祭り。伝統を守りながら、時代に合わせて新しい挑戦をする人々の想いによって受け継がれています。
◆地域と人を結ぶ祭り
先祖や自然の恵みに感謝し、人々の幸せを祈る祭り。市内各地では古くから、さまざまな祭りが大切に受け継がれてきました。
郡山市が周辺町村と合併し、今の形になった1965年には、「湖まつり」と「郡山うねめまつり」という二つの祭りが誕生しました。湖まつりは、猪苗代湖の恵みに感謝し、安全を祈願する祭り。うねめまつりは、「市民が一体となれる祭りをつくりたい」という機運が高まり、片平町に伝わる采女物語をもとに生まれた祭りです。第一回のうねめまつりには、旧町村の住民が踊り流しに参加し、心を一つに新たな郡山市の門出を祝いました。
祭りは、市内外の人々の交流も広げました。采女物語の縁で1971年に姉妹都市となった奈良市とは、毎年互いの祭りに参加したり、小学生がサッカーで交流したりしています。また、片平町では1994年に岩代國郡山うねめ太鼓保存会が作られ、小学生が地元の人から歴史や太鼓を学ぶなど、多世代の交流が生まれています。
○第1回郡山うねめまつり(1965年)
今のなかまち夢通りをメインに市民が盛大に踊り流し、多くの見物客でにぎわいました。豊作を願い稲穂に見立てた提灯も、当時から飾られています。
○第20回湖まつり(1984年)
猪苗代湖水開きに合わせ安全祈願の後、スイカ割りやイカダ競争、魚つかみなど多くの催しが行われ、家族連れなどが湖の魅力を満喫しました。
○奈良市の子どもたちとの交流(1986年)
奈良市との姉妹都市提携15周年を記念して少年少女合唱団の交歓演奏会が開催された際には、両市の子どもたちが一緒にうねめまつりを楽しみました。
◆祭りはまちへの想いでできている
コロナ禍では多くの祭りが中止や縮小を余儀なくされました。しかし、大きな楽しみであり、誇りでもある祭りを絶やしたくないという人たちの想いが、祭りを存続させ、地域の絆を強くしました。
守るだけでなく、新しい試みも始まっています。うねめまつりには、誰でも気軽に参加してほしいと、新たなエンディングテーマソングと踊りが誕生。西田町では、伝統をもっと知ってほしいという若い世代の想いから「郡山からっぽ祭り」が始まりました。
いつの時代も祭りをつくるのは、まちへの愛。これからも、愛にあふれた祭りが郡山を盛り上げます。
○郡山からっぽ祭り
今年始まった、伝統と斬新さを兼ね備えた新しい祭り。お面を被り日常を忘れ、頭がからっぽになるまで踊り続けます。
○如宝寺の七日堂まいり
1月6・7日にかけて夜通し行われる馬頭観世音(ばとうかんぜおん)の祭礼。「馬が走るように早く願いが叶う」と言われ、お参りと縁起物を求める人々でにぎわいます。
○安積国造神社の秋季例大祭
「八幡さま」の愛称で親しまれる神社の秋祭り。五穀豊穣と地域の安全に感謝し、威勢の良い掛け声とともに、みこしや山車が練り歩きます。
○鹿島大神宮夏詣「神社で行き合おう」
人と人が出会う喜びや楽しさを共有したいと、2022年に始まったイベント。伝統の舞や雅楽だけでなく、料理やワークショップも気軽に楽しめます。
◆ふるさとの四季を感じる祭り
○〔春〕喜久田町の桜まつり
ソメイヨシノが咲き誇る藤田川ふれあい桜。美しい桜とともに、演芸大会や出店を楽しむ人でにぎわいます。
○〔夏〕ふくやま夢花火
郡山の北の夜空を彩る花火大会。阿武隈川河川敷では子どもまつりも開催され、とても盛り上がります。
○〔秋〕富岡の唐傘行灯(あんどん)花火
雨乞いと豊作、家内安全を祈願して明治初期に開始。傘が開き、光が雨のように降り注ぐ様が見る人を魅了します。
○〔冬〕つるりんこ祭り
スケート場での氷上綱引きは、子どもも大人も笑い声の絶えない目玉行事。寒い冬に、熱い戦いが繰り広げられます。
◆〔Interview〕伝統の祭りがまちを元気にする/宮本青年会 杉山 晃一さん
○大好きな祭りを全力で
安積国造神社の秋季例大祭で、神様が乗られる本みこしを担いでいます。本みこし3社、各町会のおみこし35基が盛大に練り歩く姿は、迫力満点です。みんなで汗だくになって、声が枯れるまで「ワッショイ!ワッショイ!」と声を出しています。
○みんなの力でまちを元気に
秋になると、子どもたちが祭りばやしのリズムでトントンと机を叩くんです。伝統が息づいているようでうれしいですね。祭りはみんなでつくるものなので、多くの人に参加してもらい、一緒に伝統を守り、まちを元気にしていきたいです。
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