出水期を迎え降水量が増える時期になります。「防災の三助」をもとに自分で備えられること、地域で備えられることについて改めて確認してみましょう。
近年、日本各地で災害が頻発しており、いつどこで被災するかは誰にも予想できません。皆さんは自然災害への備えは万全ですか。
■防災の三助とは
防災や災害時に必要とされている考え方の一つに「防災の三助」というものがあります。
『自助』…「自分の身は自分で守る」
自分や家族の命と財産を守るために、自分自身で防災に取り組むことです。
(例)防災グッズセットの準備、家族で避難経路・避難場所・安否確認方法の共有
『共助』…「互いに力を合わせて助け合う」
地域の人や企業などと助け合うことです。
(例)近隣住民とのコミュニケーション、高齢者や障がい者の支援
『公助』…「行政の支援を受ける」役場や消防などによる公的な救助、援助のことです。
(例)指定緊急避難場所や指定避難場所の指定・整備、生活物資(食糧や飲料水など)の備蓄、災害時に使用する資機材の整備・保管、防災訓練
町で警戒レベル3「高齢者等避難」を発令した時は次の避難所を開設します。
対象地区・避難所:
・川口・本名地区…開発センター
・横田地区…横田公民館
・中川地区…ゆうゆう館
・沼沢地区…沼沢公民館
■共助の強化
町では共助の体制を強化するために「自主防災組織資機材整備事業」を行っています。この事業は、行政区ごとに災害時の対応力を強化する目的で実施しています。具体的には備蓄資材や資機材を配備するための経費を補助するものです。
補助対象者:行政区
補助対象経費:地区防災計画に定める備蓄資材・資機材を配備するための経費
対象資機材の例:メガホン・避難所用ライト・炊出資材等
補助率:10/10
補助限度額:200,000円
実際にこの支援を活用している行政区の区長2名にインタビューを行ってきました。
▽越川区長 齋藤伸(さいとうしん)さん
越川地区は2011年に起こった水害の被害が大きかったということもあり、町の補助を受けて災害に備えようと決めました。
当時被害が大きかった場所は2階近くまで水が迫りました。高台にある神社に逃げた人がいましたが、その場所には電気がひかれていなかったことから、一晩だけでも明るいところで過ごせたら良いのではないかと思い、発電機を購入しました。
また、メガホンは災害時の避難を呼びかける際に使用することで、広い範囲に早く伝えられるようになります。
今年度も足りない備品を購入し、さらに災害に備えていきたいです。
▽橋立区長 五十嵐信次(いがらしのぶつぐ)さん
まず、町の補助を活用し災害に備えることができるのはとてもありがたく、地区住民も備品を購入できたことを喜んでいました。昨年度はコンロ、脚立、簡易的なライト等を購入しました。
当時は線路上の神社に避難した人がいましたが、夏の時期とはいえ夜はとても寒かったそうです。そこで寒さ対策ができるストーブも購入しました。
また、橋立地区は浸水被害があったことから、二階や屋根に避難できるように脚立を購入しています。
草刈りの後に集会所に集まり、防災について話すことがあります。そこで今年度は簡易トイレを購入したいという話をしました。一人ひとりの防災意識が高まっていると実感しています。
■共助の重要性
交通手段に被害が出ると支援や物資を運ぶ機能が低下する恐れがあるため「自助」と「共助」が大切になってきます。町の補助や「防災の三助」で大切な人の命を守るため備えていきましょう。
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