本市には、認知症に関する相談やサポートを行う窓口があります。認知症の相談に特化した認知症伴走型支援事業「つむぎの広場」を運営している特定非営利活動法人豊心会の橋本さんと原さんにお話を聞きました。
―認知症伴走型支援事業とは
原さん:認知症伴走型支援事業は、認知症に特化した相談窓口で、症状の早い段階から認知症の人やその家族に寄り添います。
また、認知症への理解を示し、適切な情報や知識を提供することで、認知症の人やその家族が自ら考え、日常生活を支障なく過ごせるよう支援します。
さらに、地域包括支援センターや関係機関と連携し、必要な活動やサービスにつなぐことで、認知症の人の社会参加や生きがい作りなどをサポートしています。
―相談時に心掛けていること
原さん:「つむぎの広場」では「このままでは本人と家族が共倒れしてしまう」「本人が病院に行きたがらない」「昼夜逆転した生活に困っている」などの認知症に関する不安や様々な相談を、電話やメール、訪問などで受け付けています。
どのような相談内容でも、自宅に訪問し、本人と家族に「自分らしさ」について聞くことを大切にしています。性格やライフスタイルなどを聞き取り、困っていることの解決に向け一緒に考え、支援しています。
―家族へのサポート
橋本さん:「元気でしっかりしていた母が認知症になり、介護が必要になるなんて」など、介護に対して不安を感じる場面もあると思いますが、独りで抱え込まず、誰かに相談してください。認知症は進行性の脳の病気であり、誰もがなりうる病気です。認知症について知ることで、考え方や気持ちが楽になり、一息付くきっかけができます。すぐに解決とはなりませんが、一緒に考え、悩み、寄り添うことを心掛けています。
余裕が無くなると、お互いに頑張っていることも認め合えなくなります。思いを伝え合うことで、互いに頑張っていることを、本人や家族が再確認できる機会が生まれたこともあります。
―まずは参加してみませんか?
橋本さん:グループホームや伴走型支援と聞いても「どんな所だろう」「行きづらいな」「まだ関係ない」と思うかもしれません。毎月行っている「認知症カフェ」や、不定期で行う認知症の人がラーメン店の店員となりハプニングを楽しむ「ハプニングラーメン」などのイベントも行っていますので、まずは、お気軽にご参加ください。
これからも、認知症に関する情報の発信や、サポートを続けていきたいと思います。
相談日時:火~金曜日 午前10時~午後4時
※年末年始を除く
問い合わせ:つむぎの広場(グループホームすずらんあかり内)
【電話】94-7737
◆認知症ケアパス
認知症を理解し、支援するための様々な情報や「いつ」「どこで」「どのような医療や介護サービスを受けられるか」などの情報が掲載されているガイドブックです。ぜひご覧ください。
◆認知症地域支援推進員に聞きました
認知症地域支援推進員は、相談支援や関係機関と連携し、認知症の人やその家族に必要な医療・介護などのサービスが受けられるよう調整しています。また、認知症サポーター養成講座や出前講座を開催し、認知症の正しい知識を普及する活動を行っています。
活動を通して感じることは、まだまだ「認知症」という病気のイメージが良くないということです。認知症というと「何もできない」「すぐ忘れてしまう」などがイメージされますが、実際は、その人にしかできない役割を持って、社会の一員として生活することができます。
デイサービスで勤めていたときの話ですが、介護スタッフに交じってお茶の配膳や清掃を一生懸命行う利用者がいました。その人は、定年まで温泉旅館の客室清掃を行っていた人で、昔の経験や記憶は忘れておらず、その姿は誰よりも生き生きとしていました。
皆さんにも認知症を正しく理解し、認知症のイメージをポジティブに捉えてもらいたいです。
-東部地域包括支援センター 佐久間勇太(ゆうた)さん
◆認知症カフェ
認知症の人やその家族、地域住民や専門職の皆さんが、飲み物や軽食を取りながら情報共有や意見交換を気軽にできる場です。
開催内容や日程など詳しくは、下の表の主催団体にお問い合わせください。
◆認知症サポーター養成講座
「認知症サポーター」は、認知症を正しく理解し「家族や友人に、学んだ知識を伝える」「認知症になった人や家族の気持ちを理解するように努める」「認知症の人と暮らす家族の話し相手になる」など、地域の特性やニーズに応じた活動をしています。
受講者には、認知症を理解し、支援する目印として「オレンジリング」を配布します。
小・中学生向けの「認知症キッズサポーター養成講座」も行っています。受講を希望する人・団体は、長寿福祉課にご連絡ください。
→長寿福祉課
【電話】88-8116
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