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対談企画 「秋田北鷹高校×環境省」観光文化スポーツ部 観光課森吉山推進室

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秋田県北秋田市

■国立・国定公園化への道のり
国立・国定公園の新規指定・大規模拡張候補地に選ばれた県立自然公園の森吉山ですが、まだまだそのことについて知らない人たちが多いのが現状です。そこで、今回は国立・国定公園化をテーマに、今年度新設された観光文化スポーツ部観光課森吉山推進室が「秋田北鷹高校×環境省」の対談を企画しました。
この企画を通じて、森吉山の魅力や秘めている可能性などを広く周知し、皆さんに関心を持ってもらいたいと思います。

○今回の講師
環境省 東北地方環境事務所 国立公園管理官
原澤(はらさわ)翔太(しょうた)さん
国立公園、国定公園の素朴な疑問にわかりやすくお答えします
北秋田市を象徴する
森吉山について学んで
君たちも
山のスペシャリストになろう!

環境省東北地方環境事務所とは
・自然保護地域に関する調査や計画
・保護管理のための調査や巡視
・環境保全のための多くの業務等

◆私たちの素朴な疑問
私たちは、秋田県立秋田北鷹高等学校生徒会執行部です。私たちの地元には森吉山があり、春から秋にかけては高山植物やブナ林の紅葉が楽しめます。冬は、国内外から多くの観光客が樹氷を見にやってきます。そんな森吉山ですが、いま、国立・国定公園化に向けて注目が集まっていると聞きました。
そこで質問です。現在、環境省による本格的な調査が行われていると聞きましたが、今後私たちの森吉山はどうなっていくのでしょうか?環境省の原澤さん、ぜひ色々と教えてください。

◇Q.国立・国定公園とは?
まず、国立公園と国定公園は別物で、まとめて略して「国立・国定公園」と称しています。
国立公園や国定公園は自然公園法に基づき指定される自然公園という地域の一つです。国立公園と国定公園は国が指定します。
わかりやすく説明すると国立公園は「我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地」であり、国定公園は「国立公園に準ずる優れた自然の風景地」のことです。

◇Q.指定のメリットは?
現在、保護地域に指定されていない地域を新たに自然公園にできれば、その地域の優れた景観や生物多様性を法令に基づいて後世に渡って守っていくことが可能になります。
また、国立・国定公園になると、国が指定する優れた自然の風景地として、地域のブランド力の向上に貢献できます。
加えて、これまで使えなかった補助事業を使えるようになるなど、予算的にもメリットがあります。

◇Q.なぜ指定されてないの?
森吉山が1968年に県立自然公園になった頃、全国的にそのような評価を受けていたのかは確かな文献がなく、わかりません。
しかし、2022年に環境省では、最新のデータなどを分析し、新たに国立・国定公園になる、あるいは既存の国立・国定公園を大規模に拡張できるポテンシャルを持つ地域を選定しており、森吉山を含む八幡平周辺の地域がその一つに選ばれています。

◇Q.森吉山の広さは?
県立自然公園に指定されている面積は15,214haで、約3,000平方メートルの面積がある秋田北鷹高校の約5万倍です。
ただし、どこまでの範囲を「森吉山」と呼ぶのか明確な線引きがあるわけではなく、山裾の方まで含めると、もっと広くなります。

◆北秋田市の象徴「森吉山」30by30国際目標とは?
2030年までに世界の陸と海の30%以上を保全するという、生物多様性保全のための国際目標です。我々の生活は豊かな生物多様性がもたらす生態系サービスに支えられていますが、現在世界中で生物多様性が損失の危機にさらされています。
そこで2021年のG7サミットで、2030年までに生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せていこうという考えが打ち出されました。
そのため、我が国では現在、陸地の約20%、海域の約13%が保護されていますが、国立公園などの保護地域の拡張を行い、これを30%まで増やしていく計画としています。

◆国立・国定公園ではどう発信している?
国立公園では、2016年から「国立公園満喫プロジェクト」と銘打ち、海外向けのプロモーションや上質な体験プログラムの造成など、国内外の誘客に向けた取り組みを推進しています。
国立公園を訪れる外国人は2015年の490万人から2019年には667万人まで増加しましたが、コロナ禍で大幅に減少しました。その後、2023年には585万人まで回復しています。
2030年までに訪日外国人旅行者を6,000万人にする政府全体の目標があるので、国では引き続き、国立・国定公園や日本の自然の魅力を発信し、感動的な体験を提供するための各種取り組みを実施していきます。

◆対談を終え…今思うことは?
◇秋田北鷹高等学校生徒会執行部》
・生徒会会長 松橋颯良(そうら)さん
これまで森吉山について考える機会がなかったので、貴重な経験をいただけたと思うし、こうして色々考えて知見も広めることができたと思う。森吉山が国立公園や国定公園になるためには地域の人が知って関心を持つことが大事だと思うので、こうした取り組みを行っていることをPRして、自分たちも頑張っていきたい。

・生徒会副会長 福田美空(みく)さん
この対談で森吉山の魅力についてさらに知ることができたし、地域の人たちが指定に向けて努力していることがわかったので、自分も地域に貢献できるように頑張りたい。

・生徒会会計 安東優希也(ゆきや)さん
森吉山が注目を集めているとは知らなかったので、とてもいい経験になった。森吉山が国立・国定公園に指定されるように、自分は写真部なので、登山などをして色々な人たちに広められるように頑張っていきたい。

◇環境省・国立公園管理官 原澤翔太さん
驚いたのは、対談のメンバーの中で森吉山に登ったことがある人が半分以下だったこと。地元の高校生にも意外と馴染みが薄い現状がわかった。比較的手軽に登れて、素敵な風景が楽しめる山なので一度は行ってみてほしい。
環境省としてもこうした取り組みをもっとPRし、森吉山や八幡平は素晴らしいポテンシャルを持っているということを多くの人に伝えていきたい。

●あとがき
森吉山は、色々な人たちの頑張りや思いに支えられ、長い間その美しさを保ってきました。現在、国の本格的な調査が行われており、2030年までの指定に向けた国立・国定公園化への道のりを歩んでいます。
最後に、今回の対談に参加していただいた秋田県立秋田北鷹高等学校生徒会執行部の皆さん、講師を務めてくださいました環境省の原澤翔太さん、本当にありがとうございました。

問合せ:観光課森吉山推進室
【電話】84-8105

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