お医者さんが今伝えたいまめ知識
■ストレスによる胃腸の病気をご存知ですか?
市立横手病院 藤盛修成医師
胃や大腸はストレスによってトラブルを起こしやすい臓器です。胃の働きに関わる自律神経には活動時や緊張時に働く『交感神経系』と、リラックス時に働く『副交感神経系』の二つがあります。ストレスを受けると、この二つのバランスが崩れ、胃腸の動きに乱れが生じます。その結果、胃もたれや食欲不振、胃痛、胸やけといったさまざまな症状が起こります。このような胃の症状を来す病気は『機能性ディスペプシア』と呼ばれます。
同じようなことは大腸にも起こります。いわゆる『過敏性腸症候群』もストレスにより腸の動きが不規則になったり(便通異常)、腸が刺激に対して『知覚過敏』(腹痛)になる疾患で、20~30歳代に多く、男性では下痢型が、女性では便秘型になることが多いようです。過敏性腸症候群は『排便により腹痛と便通異常(下痢・便秘)が改善する』、『慢性的に(1カ月以上)症状が持続する』、『症状の原因となる腹部の他の病気がない』、『ストレスが関与する』と定義されています。
これらの病気は睡眠不足や過度のストレス、疲労なども誘引になります。現代の生活環境からストレスを完全になくすことは困難ですが、自分なりの工夫で心身の健康管理や、ストレスをためないような生活を心掛けましょう。また、気になる症状が長く続く場合は、早めに消化器内科を受診し、検査と治療を受けることをお勧めします。
横手市医師会HP
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