■「自分らしく生きていくことができる社会」には何が必要?
友達が子どもの夜泣きでつらい時、子育てしている人たちの顔が見えないインターネット上のコミュニティには、夜中や明け方でも誰かしら同じような状況の人がいるので、もう少し頑張ろうと思えると言っていた。自分がここに居ていいんだと思える場所、心を落ち着けられる場所、頑張ろうと思える居場所が必要。家族や友達、対面のコミュニティや顔が見えないコミュニティ、好きなものに囲まれている空間など、今あるものを利用しながら自分の居場所をつくることが大事。
県外の大学に進学した友達が、SNSにとても楽しそうにしている様子を投稿したり、帰って来た時も楽しい話をするので、20代前半まで県外はいいなと思っていた時期があった。しかし、仲の良い友達や家族でもないけどつながっている人がいて、地域に自分のコミュニティや居場所が増えるにつれて、県外に対する気持ちがどんどん薄まり、地元に住んでいて居心地がいいと感じている。
この地域は、暮らしにくさを感じる人もいるが、探せばいろんな良いところがあり、この現状を変えるにはどうしたらいいか考えている人たちがいて、このポジティブな面が市民に伝わればより一層いいと感じた。
他人と比べないことが大事。比べたらきりがない。自分がこんなにできないのかと考え、自分が苦しくなってしまう。人はそれぞれバックグラウンドが違うし、仕事も違えば、家庭環境も違う。価値観も全然違うため、人と比べず自分も相手に求めないし、期待しない。自分ができるから相手も出来て当たり前ではなく、相手を受け入れる力を身につけ、比べないことが周りに対しての優しさになる。
自分を認めて欲しいと思った時、自分は相手を認めているか。上の世代からいろいろ言われ、自分は認められていないと思うことがあるかもしれない。相手のことを全部知ることはできないが、その人がどういう人生を生きてきたかを想像してみると、少し関わりやすくなるのでは。
最近は多様性の時代だからと、今、多様になってきたように言われているが、そもそも多様であって、既にみんなが多様であることに気づいていこうということ。いろんな人がいることが前提になれば、なぜ結婚しないのか、子どもはいないのか、仕事は正社員ではないのかなどのお節介は、その人がどうして今そういう選択肢を選んでいるか、寄り添える姿勢になれると思う。
■11月は能代市男女共同参画月間です。
男女共同参画社会の実現には、固定的な役割分担意識の解消が重要です。
また、アンコンシャスバイアスの気づきは、多様性を認め合う社会への第一歩です!
■知っていますか?
◇アンコンシャスバイアス
無意識の思い込みや固定概念と言われ、過去の経験や育った環境などからの影響を受け、自分自身では気付いていない偏ったものの見方や捉え方で、誰にでもあるものと言われています。自分では当たり前と思っていることでも、他の人にとっては当たり前ではないかもしれません。差別や偏見は良くないと思っていても、何気ない行動や発言が相手を傷つけてしまい、生きづらさにつながっている場合があります。
◇多様な性
人は生まれた時の身体的特徴などから「男性」「女性」と性別が決められますが、一人ひとりの性のあり方(セクシュアリティ)は、性を表す4つの要素から表現され、一人ひとり違った性のあり方が存在します。
・からだの性(生物学的性)/身体的な特徴により判断される性別を示します。
・好きになる性(性的指向)/異性を好きになる人もいれば、同性を好きになる人もいます。また、男性か女性かを問わず好きになる人もいれば、どちらに対しても恋愛感情をあまり抱かない人もいます。
・こころの性(性自認)/自分が自分の性別をどのように認識しているのかを示します。出生時に決められた性別が違っていると感じて、自分らしいと感じる性別を選択する人もいます。
・表現する性(性表現)/服装や言葉遣いなどを自分自身がどのように表現したいのかを示します。からだの性・こころの性と表現する性が同じとは限りません。
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