子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんで、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が主な原因とされています。若い世代で増加傾向にあり、毎年約3千人が亡くなっています。HPVワクチン接種と定期的ながん検診で9割以上予防できます。
■HPVワクチン接種
HPVワクチンは、年齢による定期接種対象者に加え、積極的に接種勧奨が行われなかった人にも、「キャッチアップ接種」として、令和6年度末まで無料で接種が受けられます。
▽定期接種対象者
11歳~16歳の女性(平成20年4月2日~平成25年4月1日生)
▽キャッチアップ接種対象者
16歳~27歳の女性(平成9年4月2日~平成20年4月1日生)
このワクチンは、合計2回、または3回接種します。接種完了まで最低6カ月の期間が必要なため、令和6年度中に接種を完了するには、9月までに1回目の接種を開始する必要があります。
実施医療機関など詳しくは、市ホームページをご覧ください。
※接種期間を過ぎた場合は、自費での接種になります。(3回接種で8~10万円程度)
※進学などで県外でのワクチン接種を希望する場合は、接種前にすこやか子育て課までご連絡ください。
■子宮がん・乳がん検診
予約方法:WEB(本紙記載の二次元コード)または電話(【電話】30-0119)でご予約ください。
場所:
・子宮がん検診→かづの厚生病院、いけがみレディースクリニック
・乳がん検診→かづの厚生病院、文化の杜交流館コモッセ、十和田市民センター
検診期間:令和7年2月10日(月)まで
対象者:
・子宮がん検診→20歳以上の女性
・乳がん検診→40歳以上の女性
※40歳以上の人は、偶数年齢が対象。乳がん検診は、41歳も対象。
▽午後の乳がん検診の日程
医療機関:かづの厚生病院
検診日:8月6日(火)、10月8日(火)
受付時間:
・1回目…13時15分~13時30分
・2回目…14時15分~14時30分
■子宮頸がんで想うこと
いけがみレディースクリニック院長 池上俊哉(としや)さん
勤務医時代の話です。
30代後半のお母さん。しばらく続く不正出血を訴えて受診されました。幼いお子さんが3人おり、子育てに忙殺されていたのでしょうか。検診を受ける機会もなく、既に一目でわかるほどの進行した子宮頸がんでした。将来のこともあり、できる限りの治療をしようと、子宮・卵巣のほか、ぼうこうや直腸も全て摘出し、術後は化学療法や放射線治療を行い、副作用にも耐え、家族の待つ自宅に戻られました。
そこまでの治療をしたにもかかわらず、進行したがん。退院して程なく遠隔転移が確認されました。若い人の再発がん。病魔の勢いを治めることはできず、治療もむなしく、お亡くなりになりました。
最後の時、3人のお子さんが手や顔をさすり「お母さん…。死なないで…。」と泣きながら呼びかけていた声が、病棟中に響き渡っていました。
子宮頸がんは子育て世代を直撃することから、英語では「マザー・キラー」とも呼ばれ、多くの女性が子宮を失いかねない病状になり、年間約3千人も亡くなっているのが現状です。仕事柄このようなつらい症例を経験していたので、HPVワクチンが出たときには、私はすぐに娘へワクチンを接種しました。だって「注射でがんが予防できる」なんて「夢物語」でしたから。
不正出血が多くなった時には、子宮頸がんはかなり進んだ状態であることは確かです。「がん検診とHPVワクチン」のセットで、どうか子宮頸がんを予防していただきたいと思います。
問合せ:すこやか子育て課健康づくり班
【電話】30-0119
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