◆市民のウェルビーイングを大切にする歴史文化のまち
福井県のほぼ中央に位置し、越前中央山地や丹生山地に囲まれる武(たけふ)生盆地にあるのが越前市です。
市の南部には「越前富士」として親しまれている日野山(ひのさん)がそびえ、里地里山保全再生モデル事業に選ばれた西部地域にはコウノトリが飛来するなど希少な野生生物が多く生息する、自然環境に恵まれたまちです。
古くから越前国の中心地として栄えたまちでもあり、およそ1,000年前の平安時代には、朝廷が地方を司る国庁が置かれ、国守として赴任した父・藤原為時と共に紫式部が過ごしたことも。
市内には紫式部公園や資料館「紫ゆかりの館」などの関連施設があり、また大河ドラマ『光る君へ』の放送に合わせて、武生中央公園では「光る君へ 越前 大河ドラマ館」を開設中です。
古来、北陸道や朝倉街道が通る交通の要衝で、現在も関西圏や中京圏の主要都市と北陸地方をつなぐ北陸自動車道や国道8号が市内を縦断しており、さらに今年3月には北陸新幹線の延伸にともない、「越前たけふ駅」が開業しました。
まちの中心部は昔ながらの風情をよく残し、国分寺や総社大神宮を中心に、石畳の風情豊かな寺町通りや、白壁の蔵を再生した店が並ぶ「蔵の辻」と呼ばれる一角があります。町屋も多く、その中には記念館となった絵本作家いわさきちひろの生家があります。
■越前国の国府が置かれ紫式部が過ごした古都
◇紫式部公園
紫式部をしのんで造られた公園。3,000坪の敷地に越前富士と呼ばれる「日野山」を借景とする庭園があり、寝殿造(貴族の邸宅)の釣殿(つりどの)が再現されている。圓鍔(えんつば)勝三作の紫式部像や全長約160mの藤棚も見どころ。資料館「紫ゆかりの館」も隣接。
◇紫ゆかりの館
令和3年4月にリニューアルした資料館。源氏物語を描くまでの紫式部の心模様を、几帳風グラフィックや絵巻物風映像でたどることができる。
◇千年未来工藝祭
全国から高度な技術を持つ職人が集結。作り手の技術や人柄に触れてもらい、次世代への継承のきっかけとするイベント。
◇越前和紙
産地として1,500年の歴史があり、国指定の伝統的工芸品。市内には紙の文化博物館や卯立の工芸館、パピルス館があり、紙漉(す)き体験等が可能。
◇越前打刃物(うちはもの)
国指定の伝統的工芸品。700 年ほど前、京の刀匠、千代鶴国安が刀剣を打ちつつ、農民のために鎌を製作するようになったのがおこりと伝わる。
◇越前箪笥(たんす)
ケヤキやキリなどを材料に、釘を使わず木の板と板を組み(指物)、鉄製金具や漆塗りで装飾されたタンス。国指定伝統的工芸品。
◇紙神祖(しそしん) 岡太(おかもと)神社・大瀧神社
山頂の奥の院に本殿がある。里宮の社殿は本殿と拝殿が連なり、複雑な構造の屋根を持つ。岡太神社には紙の女神、川上御前が祀(まつ)られている。
◇タケフナイフビレッジ
14社が集結した越前打刃物の共同工房。13名が伝統工芸士の認定を受けている。作業風景を見学できるほか、体験教室も(予約制)。
◇タンス町通り
建具商や家具屋が建ち並ぶタンス町通り。江戸後期から木工技術を持った職人が移り住み、明治中期頃には指物師による町がつくられた。
※写真は本紙をご覧ください。
◎Echizen City
人口:80,419人(令和6年8月1日現在)
面積:230.70平方キロメートル
【URL】https://www.city.echizen.lg.jp/
■千年先も輝くふるさとを目指して
越前市長 山田賢一
本市は、大化の改新後に、北陸地方で最も早く国府が置かれた歴史あるまちです。日本三大和紙に数えられる越前和紙や世界の一流シェフも愛用する越前打刃物、越前指物の技術を駆使した越前箪笥など、ものづくりの技と心が受け継がれています。
大河ドラマ『光る君へ』の主人公紫式部は、生涯でただ一度都を離れ本市で一年余りを過ごしました。「紫式部公園」の金色の式部像は、式部が歌に詠んだ霊峰・日野山を見つめています。北陸新幹線で東京から3時間6分でアクセスできます。ぜひ、県下随一の本市の歴史・文化、日本海の海の幸や山の幸を堪能しにお越しください。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>