■エンジョイ野菜栽培in大泉高校
◇野菜を育てる楽しさをみんなに伝えたい
阿部紗季さん(鍋谷・17歳)
保育園の時に園の敷地内でサツマイモやナスの栽培を体験したという阿部紗季さん。中学3年生の頃、進路を決めるときに自分が通っていた保育園の先生のように野菜も作れて優しくこどもと関わる先生になりたいと思い進路を調べていました。そんな時に、保育士の道も選べて野菜などの栽培の授業もある県立大泉高等学校を見つけ、自分にぴったりだと思い進学を決意。
初めて栽培した野菜はトウモロコシ。種まきや除草作業、育ってきたら、大きく、甘くするため、ヤングコーンの間引きも行いました。トマトやキュウリ栽培をはじめた頃は切るべき葉なのか、残しておく葉か分からずに誤って切ってしまうなど悪戦苦闘。ハウスの中は高温多湿で夏場は50度を超えることもあります。自分の背丈を超えるほど育ったトウモロコシからは小さい虫が身体中にくっついたり、花粉が降りかかってくしゃみが止まらず四苦八苦。しかし、汗水流し世話をした末に収穫されたトウモロコシは、スーパーで売っているものよりも何倍も甘く、おいしく感じたそうです。
また、大泉高校では課題研究として枝豆を栽培し、マルチ(※1)の有無や肥料の有無で葉っぱや実の生育にどのような影響をもたらすかなどの授業があります。そして、春と秋には「泉農フェア」と称し、仲間たちと栽培・収穫した新鮮な野菜を大特価で販売しています。どちらも大好評で、毎年1000人以上のお客様が来場し、多くの人で賑わいます。
最後に阿部さんは「大泉高校は普通の高校ではなかなか学ぶことのできない野菜の栽培を基礎から応用まで学ぶことができます。大変ですが、大切に育てた野菜を収穫した時は胸が一杯です。将来はこの経験を活かして、こども園の先生をやりながら野菜栽培や食育の大切さなどをこどもたちに伝えたいです」と笑顔で話しました。
※1マルチ…作物を育てている畑の畝を覆う資材のこと。雑草が畑に増えたり、雨風によって肥料や土壌が削られることを防ぐ。
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