■もっと知りたい! 常陸国風土記
●風土記って何だろう?
和銅6年(713年)、元明天皇は全国に向けて次の内容を提出するよう命令しました。
1.郡郷名を漢字2字で記載
2.郡内で産出する鉱物や生息する植物、動物、魚、昆虫の目録
3.土地の肥沃(ひよく)状態
4.山川原野の地名由来
5.古老が伝える旧聞異事
当初は、「風土記」という書名は公式ではありませんでしたが、平安時代には風土記という総称で呼ばれるようになったと考えられています。
●現存する5つの風土記は?
「常陸国風土記」、「播磨国風土記」、「出雲国風土記」、「豊後国風土記」、「肥前国風土記」です。
作成時期や編纂者が明らかになっており、完全な形で伝承されているのは「出雲国風土記」のみですが、他の4つの風土記も当時の様子を知る貴重な資料です。
中でも「常陸国風土記」は、唯一東国を記述したものであり、古代東国を考える際に参考にされています。
●下総(しもうさ)や陸奥(むつ)には風土記はないの?
もともとはありました。ただ、千年以上前に編集されたものなので、長い年月が過ぎるなかで失われてしまい、残されていません。ごく一部が他の書物に引用されるかたちで伝えられています。
■立ち寄りスポット
◇密筑(みつき)の里(日立市)
風土記に「夏の暑い時に、遠近の村から男女が集まり、食べたり、飲んだりして楽しんでいた」と、憩いの場として記された泉が残っています。
◇平沢官衙(かんが)遺跡(つくば市)
筑波郡の郡役所跡と考えられる国指定史跡。高床式倉庫が復元されています。
※令和7年3月14日(予定)まで再整備工事に伴う立ち入り禁止区域あり
◇鹿島神宮・坂戸(さかど)神社・沼尾神社(鹿嶋市)
風土記に「天の大神の社(鹿島神宮)、坂戸の社、沼尾の社、三処を合わせて、総べて香島の天の大神という」と記されています。
鹿島神宮(楼門)
鹿島神宮:鹿嶋市宮中2306-1
坂戸神社:鹿嶋市山之上228
沼尾神社:鹿嶋市沼尾1298
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