■霞ヶ浦のシラウオ~霞ヶ浦の貴重な水産資源~
シラウオは、明治から昭和にかけて盛んに行われた「帆引き網漁」の主な対象として漁業者のくらしを支えてきました。シラウオの仲間は、主に汽水湖に生息しています。かつては霞ヶ浦・北浦も汽水湖でしたが、常陸川水門ができたことにより淡水湖となりました。霞ヶ浦が淡水化しても、シラウオは環境の変化に順応して生き続けてきました。
シラウオは「キュウリウオ目シラウオ科」に分類され、ハゼ科の「シロウオ」やイワシの稚魚「シラス」と似ていますが全く別の種です。寿命は1年で、プランクトンなどの小さな生物を食べて生きています。しかし、シラウオは昭和40年以降の漁獲量が減少しています。理由は漁獲方法が従来の「帆引き網漁」から効率のよい「トロール漁」へ転換したために、シラウオの取りすぎが起きてしまったからといわれています。その他にも、生息環境の変化やプランクトンの減少、産卵場・幼稚魚の隠れ家の減少なども原因と考えられています。
そんなシラウオですが、さまざまな料理に用いられることでも知られており、佃煮や天ぷらをはじめ、パスタや卵とじなどでもおいしく食べられます。ぜひ味わってみてください。
当館でも2月末ごろから展示ができるよう、体制を整えています。シラウオの飼育展示は難しいですが、当館ではさまざまな飼育試験を行い、周年展示に挑戦しています。
問合せ:かすみがうら市水族館
【電話】029-896-0722
来月号は、雪入ふれあいの里公園によるコラムを掲載予定
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