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歴史にふれる

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茨城県かすみがうら市

■天狗党と刀
今月は、本市に関係がある天狗党とその時代に制作された刀について、歴史博物館の千葉館長が話してくれました。

今年は、幕末に活動した水戸藩の天狗党が江戸幕府へ尊王攘夷(そんのうじょうい)の決行を促すために筑波山に挙兵した元治元年(1864)から数え、160年となる年です。
天狗党は、本市出身の安食村の郷士「竹内百太郎(たけうちひゃくたろう)」、宍倉村の修験者「岩谷敬一郎(いわやけいいちろう)」、そして水戸藩士の「藤田小四郎(ふじたこしろう)」が三総裁としてまとめていました。
竹内百太郎は、水戸藩が推進する水戸学(尊王という天皇を中心とした政治が大切で、歴史に学ぶという姿勢を持つなどを教育した学問および思想)を小川郷校で多くの人々に広めていました。また、岩谷敬一郎も潮来郷校で同様の教育に当たっていました。水戸学は、全国各地の志士たちの心に響き、日本が近代化へ向かう原動力となっていきました。
3月に歴史博物館へ、天狗党が活動した元治元年の銘文が刻まれた水戸の刀工「勝村徳勝(かつむらのりかつ)」制作の刀が、狩野平左衛門岳也(かのうへいざえもんたかや)さんから寄贈されました。長さ75.2cm、反り1.4cmを計り、銘文には「於江戸礫川館水府住勝村徳勝作之」、「元治元年甲子八月日」とあります。徳勝の特徴である柾目鍛(まさめきた)え(刀の地肌が木材の柾目に似ている)となっており、水戸刀工を代表する徳勝が55歳の時の傑作といえます。
徳勝の刀は、天狗党総裁の一人である藤田小四郎にも愛用されています。今回寄贈された刀の制作が、元治元年八月という最も天狗党が活動した時期ですので、天狗党が注文した可能性があります。
寄贈された徳勝の刀は、市歴史博物館で開催中の特別展「水戸藩郷士竹内百太郎の生涯」で展示公開しております。
ぜひ、本市の歴史人物の一人である竹内百太郎の生涯を学ぶと共に160年前に制作した徳勝の刀を鑑賞してみてはいかがでしょうか。

問合せ:歴史博物館
【電話】029-896-0017

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