■美しいだけではないタナゴの世界~霞ヶ浦のタイリクバラタナゴ~
淡水魚の多くは、地味な見た目のものが多いですが、繁殖のシーズンになると雄に美しい婚姻色(こんいんしょく)が現れる種類がいます。これは雄が雌にアピールするときに現れる特有のもので、タナゴ類の婚姻色は淡水魚の中でも特に美しく、観賞魚として人気です。
そんなタナゴ類ですが、霞ヶ浦で現在確認されている多くが外来生物に移り変わっており、中でも数が目立つのがタイリクバラタナゴです。本種にも雄に美しい婚姻色が現れますが、中国などの国外が原産地であるため、日本では外来生物という扱いになります。外来生物が侵入すると、在来生物との間で餌や住み家の奪い合いなどが発生するため、美しいとはいえ日本の自然環境で見かけることは望ましくありません。また、タナゴ類は繁殖にドブガイなどの二枚貝を利用していますが、この二枚貝も数に限りがあるため外来生物のタナゴ類が二枚貝を使用してしまうと、在来生物であるタナゴ類の繁殖への悪影響が懸念されます。
かすみがうら市水族館では、タイリクバラタナゴの飼育を行い、外来生物の問題を考えるきっかけの場として提供しています。現在、タイリクバラタナゴの稚魚を観察することができますので、ぜひ、ご来場ください。
※「繁殖」の「繁」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
問合せ:かすみがうら市水族館
【電話】029-896-0722
来月号は、雪入ふれあいの里公園によるコラムを掲載予定
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