■西成井八坂神社の祭礼
今月は、西成井にお住いの市民学芸員阿部功(あべいさお)さんが、西成井八坂神社の祭礼について話してくれました。
西成井八坂神社は、天慶(てんぎょう)2年(939)の創建とされる古社です。明治5年(1872)から、第1回目の祭礼が始まったことが「八坂神社祭典記録」に記されており、毎年6月20日に行われるようになりました。その後、祭礼は7月21日~23日に開催するようになり、現在ではこの日に近い土日を挟んだ3日間に行われています。準備は、2週間前から始まり、当番の氏子がしめ縄を作って村境に張ります。
祭礼の1日目(宵祇園(よいぎおん))は、早朝に指定の場所に旗が立てられ、昼から上衣に着替えた当番の氏子が神社に集まり、祝詞奏上・玉串奉奠(たまぐしほうてん)の後、ご神体をお神輿に移し、お仮屋に向かいます。行進は、太鼓、お鉢、榊、ひしゃく、天狗、お神輿、神主、氏子総代、山車の順で粛々と進み、途中で「みたらし池」に寄り、ひしゃくで水を3回くみ、お神輿にかけて清めます(お浜降り)。夕方からは万灯(まんどう)や山車、お囃子「成井ばやし」が練り歩き、夜は、唐傘万灯花火などで盛り上がります。
2日目(本祇園)は、夜に当番の氏子がお仮屋にお神輿を迎えに行き、この日も万灯や山車が出て、町内を練り歩き、終盤に万灯花火や打ち上げ花火を行います。その後は、お神輿がお仮屋から神社へ戻り、ご神体を本殿にお祀りし、氏子総代の合図で手拍子をして祭礼は終了となります。翌日の早朝には旗が下ろされ、引継ぎを11月の新嘗祭(にいなめさい)の時に行い、翌年の祭礼に向けて準備を進めていきます。
近年、担い手不足が問題視されていますが、祭礼は地元の誇りであり、後世に残す大切な宝です。今後も皆さんのご支援よろしくお願いします。
問合せ:歴史博物館
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