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歴史にふれる

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茨城県かすみがうら市

■加茂地区の立木観音と石塔
加茂字立木山に、立木観音(たちきかんのん)(正式名称:立木山千手院密蔵寺(たちきさんせんじゅいんみつぞうじ))と呼ばれる小堂があります。元は規模の大きいお堂があったそうですが、明治30年代に火災に遭い焼けてしまいました。現在のお堂は、昭和28年に再建されたもので、現在も、火災により炭化してしまった仏像(観音様)が堂内に保管されており、その姿は一木造(いちぼくづくり)で1mを超え、中世以前の古い特徴が見られます。この観音様と歩崎の観音様、崎浜の観音様は一本の巨木から造られたとする言い伝えもあります。また、立木観音北側の山中には、直径40m程の大きな円墳があり、愛宕塚(あたごつか)と呼ばれています。少し変わった形状をしており、仏教のシンボルの輪宝(りんぽう)に似ていることから、立木観音との関連も指摘されています。
境内には、中世から江戸時代にかけて造られた多数の石塔(五輪塔(ごりんとう)・宝篋印塔(ほうきょういんとう)・六地蔵宝幢(ろくじぞうせきとう)など)の部材が乱積されているところがあります。古い時期に墓域があったことが想定されますが、その後どのような経緯で石塔がバラバラにされ、積み上げられたのかは分かっていません。その中に、四面に四天王像が彫られた非常に珍しい層塔の一部が発見されており、部材の形状から15世紀頃のものと考えられます。また、境内の南側には弁才天(べんざいてん)を祀る池があり、弁天池(べんてんいけ)と呼ばれています。地元の方々の間では、弁天池の底に石塔が沈んでいることが知られており、6月19日に有志の皆さんにより立木観音の歴史究明のため石塔の引き上げが実施されました。
その結果、戦国時代から江戸時代までの石塔(五輪塔・宝篋印塔など)の部材数十点が見つかり、作業に参加した松葉薫(まつばかおる)さんは「四天王の層塔の部材が見つからなかったことは残念だが、立木観音に関する資料が増えたことが嬉しい」と語っていました。

問合せ:歴史博物館
【電話】029-896-0017

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