■雪入山周辺のアカトンボ
秋、稲の穂が黄金色に色づいて垂れ始めるころ、雪入山周辺にはたくさんのアカトンボが見られるようになります。体の色が赤くなるトンボは、日本では10種類以上いるそうです。雪入ふれあいの里公園の過去20年間の昆虫観察会の記録では、アキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボ、ショウジョウトンボ、ハッチョウトンボ、マイコアカネ、マユタテアカネの7種類のアカトンボが観察されています。
このうち、一般によく知られているのはアキアカネで、平地でも見られる種類ですが、夏はほとんど姿を見ません。アキアカネは「避暑」をすることで知られていて、暑い夏の間は涼しい高原で過ごし、秋になると平地におりてきて、稲刈りの終わった田んぼの水たまりなどで産卵します。夏の終わり頃に筑波山に登ると、御幸ヶ原の上空をたくさんのアキアカネが飛んでいます。これも避暑地から戻ってきて、これから産卵期を迎えるものではないかと考えられます。
雪入ふれあいの里公園には、採石が行われていた頃にできたくぼみに雨水がたまった池が3つあり、ギンヤンマやイトトンボの仲間などアカトンボ以外の種類も数多く生息しています。すっきり晴れた青空を舞うトンボたちを見ると、秋の訪れを感じます。
問合せ:雪入ふれあいの里公園ネイチャーセンター
【電話】0299-59-7000
※来月は、かすみがうら市水族館によるコラムを掲載予定
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