シリーズ まち・ひと・しごと #62

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【利根町リハビリ体操指導士の会】
■地域の元気を支える!　シルバーリハビリ体操
▽シルバーリハビリ体操とは?
シルバーリハビリ体操は、「立つ、座る、歩く」など、日常生活を営むのに必要な関節や筋肉の動きを良くする介護予防のための体操で、日本のリハビリ医学の第一人者である大田仁史(おおたひとし)氏が、「高齢化社会を乗り切るためには、住民同士が支え合う互助のスキームが必要」との考えから、茨城県独自の介護予防施策として、考案されました。
県内には、すべての市町村に合計約千八百カ所の体操教室があり、シルバーリハビリ体操指導士が各教室で体操指導を行なっています。シルバーリハビリ体操指導士は、地域住民に介護予防のためのシルバーリハビリ体操を指導・普及するボランティアで、利根町でも約20年前に「利根町リハビリ体操指導士の会」が発足し、指導士の皆さまが各地域で熱心に活動しています。

▽シルバーリハビリ体操で、身体も心も健康に
道具を使わず、どこでも簡単に無理なく運動ができるため多くの方に親しまれているシルバーリハビリ体操は、すぐに効果が表れるものではありませんが、継続することで「日常生活での動きが楽になる」「関節の痛みが緩和する」「つまづき、転倒をしにくくなる」といった効果があるといいます。
また、継続的に体操教室へ参加することは、仲間たちとの会話や地域のつながりを持つ機会が増えるほか、外出機会も増え、身体の健康だけでなく心の健康維持にも大きな役割を果たします。
利根町保健福祉センターのいきがい支援係では、「家に閉じこもり気味で外出機会が減る高齢者は、日常的に体を動かす機会が少なくなり、どうしても関節や筋肉の動きが悪くなります。また、高齢者は、病気やケガで数日間寝ていただけでも、急激に体力が落ち、そのまま寝たきりになってしまうケースもあります。だからこそ、元気なうちからシルバーリハビリ体操などに積極的に参加し、体を動かすことは、フレイル予防の観点からも非常に大切なことです。」と話します。

▽利根町リハビリ体操指導士の会
利根町のシルバーリハビリ体操を支えているのは、ボランティアで活動している「利根町リハビリ体操指導士の会」の皆さま。もともとは、地域で行われている体操教室に参加したことがきっかけで、指導士になった方もいるそうです。
「膝痛予防の体操を体操教室と自宅で続けたところ、膝の痛みがなくなって行動範囲が広がった。また、体操教室に行くことで顔見知りが増え、体操教室に行くのが楽しみになりました。この活動を続けていると、体操教室に来れなくなる人も出てきたり、寂しい気持ちになることもありますが、新規参加者が増えたときには、仲間が増えてとても嬉しいです。」と話してくれたのは、今も体操教室に参加している、佐藤利夫(さとうとしお)さん。
現在、利根町リハビリ体操指導士の会の会員は58名、全盛期は85名を超える指導士がいたそうですが、高齢化や家庭の事情などで、年々減少傾向にあるそうです。
利根町リハビリ体操指導士の会の会長を務める戸澤秀男(とざわひでお)さんは、「本シルバーリハビリ体操は、関係する方々のご尽力、ご理解、ご協力により今年で20周年を迎えることができました。本当にありがとうございます。この体操は、身体と心の健康維持を通して、個人(自助)はもとより、住民が共同して(互助)健康寿命の維持・向上を図ることを目的とした、介護予防の体操です。加えて教室は『集いの場』にもなっています。人と人との対話は、健康維持の秘訣です。
ぜひ一度、お近くの体操教室にお誘い合わせの上ご参加ください。若い世代の方、初めての方でも大歓迎です。体力に自信のない方も安心して参加できます。
また、体操教室に参加して、私たちの活動に少しでも興味がありましたら、指導士として私たちと一緒に楽しく活動してみませんか。」と話します。
11月には、「シルバーリハビリ体操指導士3級養成講習会」が開催されます。現在、受講者を募集中ですので、興味のある方は、利根町保健福祉センターまでお問い合わせください。

■LET’STRY!　自宅でもできるシルバーリハビリ体操
シルバーリハビリ体操には、関節可動域や筋力の向上などを目的とした体操が、全部で92種類あります。その中から、腰痛予防や転倒予防の体操をご紹介します。

・転倒予防の体操　腿を上げる力をつける
肘を直角に曲げ、上腕を水平に保持しながら、右脚、左脚の順で膝を肘に付けるように腿を持ち上げる(左右5回)

・腰痛予防の体操　下半身の強化
仰向けに寝て両膝を立てながら、両足で踏ん張って、お尻を持ち上げて6秒間保持する(2回行う)

このほかにも、身体の部位、目的別に多くの体操があります。興味のある方は、ぜひお近くの体操教室へ!

「利根町のシルバーリハビリ体操教室は、町内の各地域で毎週開催されていますので、興味のある方は、ぜひお近くの体操教室へ参加してみてください。」と話す指導士の会会長の戸澤秀男さんが、シルバーリハビリ体操を始めたきっかけは、「最後まで、自分の力でトイレに行けるようにと思って」とのこと。

■利根町シルバーリハビリ体操教室一覧

※上記教室以外にも、各地域の老人会やサロンにて、出張体操教室を開催しています