■コレステロールと動脈硬化
コレステロールは、新しく細胞が生まれるための必須栄養素です。また、ホルモンの中にはコレステロールがないとつくられないものもあります。ただ、ご存じの通りコレステロールは動脈硬化の一番の原因物質です。動脈硬化は血液中に余ったコレステロールが血管壁の中に取り込まれて固まることで起こるからです。
◇2種類のコレステロール
コレステロールは肝臓でタンパクと一体化されて血液に溶けやすい形にされた後、体中に運ばれて必要とされる所で利用されます。タンパクと一体化されたものは大きさと重さに違いがあり、LDLやHDLコレステロールなどに分けられます。このうちLDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれ、動脈硬化の原因にもなる物質です。一方、HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれ、LDLコレステロールを肝臓に連れ戻して分解し、動脈硬化を予防する働きをします。つまり、LDLコレステロールの多い人やHDLコレステロールの少ない人が動脈硬化を起こしやすいわけです。
通常、LDLコレステロールの値は120mg/dl未満がベストで、160mg/dl以上が危険と判断され、HDLコレステロールは40mg/dl未満が危険とされます。LDLコレステロールは食べ物の影響を受けるため、カロリーや動物性脂肪などの取り過ぎで増えます。一方、HDLコレステロールは運動で増やすことが可能です。
健診などでコレステロールが高いと指摘された人は、動脈硬化予防のため食事に気を付けて運動をするのがいいですね。それでも改善されない時は医師に相談しましょう。
問合せ:古河福祉の森診療所 赤荻榮一医師
【電話】48-6521
<この記事についてアンケートにご協力ください。>