■女沼川&向堀川の河川改修事業について〈県の取り組み〉
◇Intterviiew
茨城県境工事事務所 所長 真中剛さん
私たちは、利根川などの大河川に合流する管内12の「中小河川」を管理しており、河川改修や除草・樹木の伐採などを行っています。
市内を流れる河川は、利根川に直接合流する「向堀川、女沼(めぬま)川、宮戸川」、坂東市方面に流れる「西仁連川、飯沼川、東仁連川」が管理対象です。その中でも「向堀川、女沼川」は、市街地に降った雨水等が流れ込む河川として重要な位置付けのため、改修工事を進めています。
両河川とも、利根川との合流部分から上流に向かって工事を行い、向堀川は令和4年度に緑橋(緑町)までの川幅の拡幅工事が完了。女沼川も現在、日下部(くさかべ)橋(前林)まで拡幅工事が完了しています。今後も、地域の皆さまのご理解とご協力をいただきながら、残り区間の工事を進めていきます。
・向堀川…鹿養上(かようかみ)橋北側から撮影。緑橋までの全8キロメートルが改修済み
・女沼川…道場(どうじょう)橋北側から撮影。全5.5キロメートル中2.2キロメートルまで改修済み
■地域を守る水防
古河市消防団 団長 井上功さん
市内で水害が予測される場合、消防団が水防活動を行います。主な活動は、雨量や台風の進路を確認するなどの情報収集や、消防車での巡回および広報活動です。また平常時は水防訓練などを行い、堤防の水漏れや越水に対応できるように備えています。
・土のう作り…ビニールなどでできた土のう袋に土を入れ作成します
・積土のう工法…堤防の越水を防ぐために行う工法です
・月の輪工法…堤防の漏水口の拡大を防ぎ、堤防の決壊を防止する工法です
・工法確認…完成したものに不備がないか確認します
■利根川氾濫の危険が迫ったときに備えて 広域避難のいつ、どこへを考えておきましょう
この特集記事は、洪水時の避難行動の啓発を目的に、利根川氾濫域の自治体による合同企画として同時期に発行する広報誌に一斉に掲載しています。
各自の置かれた状況や避難に必要な時間によって、避難を開始するタイミングや避難先は異なります。より安全に避難できる方法を確認し、考えておきましょう。
○なぜ?
大雨により利根川が氾濫した場合、広い範囲に長期間深い浸水が想定されており、自宅や浸水域内にとどまることはできません。
そのため、浸水のおそれがない、市外、町外、居住地域外の地域へ、避難すること(広域避難)が必要です。
○いつ?
車で避難を考えている方が多いため、混雑による渋滞の発生が考えられます。
台風の接近や、大雨が降り続くことが予想される場合は、利根川の水位がまだ高くない場合でも、暗くなる前、雨や風が強まる前に早めの避難〈自主避難〉
○どこへ?
浸水のおそれのある市町では公的な避難所の確保を進めていますが、市内、町内の避難所は浸水してしまうところもあり、受け容れることができる人数が限られます。
まずは浸水のおそれが低い地域の親戚・知人宅や宿泊施設・勤務先等各自で確保〈自主避難先〉
つぎに市町が指定する避難先
利根川中流4県境広域避難協議会(板倉町・加須市・古河市・境町・坂東市・館林市・佐野市・気象庁・利根川上流河川事務所)
■渡良瀬遊水地の環境学習
(一財)渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団では、渡良瀬遊水地周辺地域の児童を対象に、渡良瀬遊水地の自然環境や治水・利水などに関する理解を深めるため、学習研究発表会を実施しています。古河市からは古河第七小学校の児童が「われら渡良瀬探検隊」をテーマとして、植物・水質・治水・昆虫・野鳥・歴史について分野別に調査を行い、発表しました。
◇渡良瀬遊水地学習研究発表会
・藤本梨那(りな)さん
遊水地のさまざまな植物を大切にしたいと思いました。
・丸山結楽(ゆら)さん
治水のために遊水地が役立っていることを学びました。
・小田部一輝(いっき)さん
絶滅危惧種のアサギマダラを見つけ、うれしかったです。
・佐田陽彩(ひいろ)さん
ヨシのおかげで水がきれいなことが分かりました。
■やってみよう! 家庭でできる流域治水
大雨の時に水路や河川に流れ込む雨水を減らして、内水氾濫を防ぎましょう
○雨水を貯める
・庭に花壇を設置する
・ためた雨水を水まきや水やりに使う
・雨水浸透ますや雨水貯留タンクを設置する
・駐車場を透水性舗装にする
○大雨の時は
・雨が降る前に雨水貯留タンクを空にする
・お風呂や洗濯の水をできるだけ流さない
○水害に備える
・ハザードマップで浸水の危険性があるエリアや道路を確認する
・避難のタイミングや手段、経路を確認する
・家の周りの側溝や雨水ますの集水口を掃除する
・浸水防止のために使う、土のう・水のうの作り方を確認し、材料を準備しておく
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