■美術教育の大切さ
守谷には、アーカスプロジェクトがあります。さまざまな国のアーティストたちが、1~3カ月間、守谷で暮らしながら、それぞれのテーマやプロジェクトに沿って、思い思いの素材を使って表現しています。作品を観ていると、美術は言語の壁を越えられるコミュニケーションの手段の一つだと感じます。守谷では、アートを通じた国際交流ができて、本当に素晴らしいですね。
ドイツでも美術は重要なテーマです。私の出身地であるデュッセルドルフには多くの美術館やアートカフェがあり、美術アカデミーもあります。小学校の美術の授業では、主に絵を描いたり季節に合わせたものを工作したりします。例えば11月には「聖マーティン」というランタン祭りのためのランタンを、12月にはクリスマスの飾りを作ります。日本と同じで小学校では絵の具を使って絵を描くことが多く、子どもたちは楽しく色の組み合わせを学べます。もちろん、中学校以降も美術の授業があり、美術に関する理論や表現方法の工夫、有名な美術家とその作品について勉強します。授業ではさまざまな素材や道具を使えるので、学生たちは新しいことをたくさん体験できます。私は学生の時、鉛筆の絵、アクリルを使ったキャンバスの絵、陶芸、フォトショップを使ったデジタルのアートなどを美術の授業で学び、自分が好きな表現方法を見つけられました。
私の高校では毎年、生徒の作品を掲載したカレンダーを発行します。数年前に、私が描いた絵(当時建ったばかりの校舎)が表紙になりました。今となっては、つたない絵だなと思いますが、当時はとても嬉しかったです。
ドイツでは、時々、美術の授業は意味がないのでやめてもいいという意見がありますが、少しリラックスできる美術のおかげで、学校生活が楽しくなり、美術への興味が深まる人もいます。学校は、数学や理科を勉強するだけではなく、自分の長所や興味を知ったり、創造力を発揮したりできる場所であり続けてほしいと思っています。
この連載記事を読んでくれている守谷の学生さんの中にも、絵を描くのが好きな方はいますか? 実は今、ドイツ大使館が小中学生向けの絵画コンテストを開催しています。テーマは「元気なドイツ」で、提出期限は9月13日(金)です。過去に市内の学生さんたちも入賞しています。よろしければ、元気なドイツの絵を描いてみませんか? 私も応援しますので、ドイツに関する質問があれば、ぜひ聞いてくださいね!
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