高齢になるほど発症する可能性が高まる認知症。今後も高齢化は進み、認知症は下の図のように増えていくと推測されています。認知症は早期の段階で適切に対応すれば、生活の質を良い状態で保つことができます。
今月号では、認知症を早期に発見するための知識や予防方法、常陸大宮市でのサポートを紹介します。
・全国の認知症患者数の推計
◆こんな症状はありませんか?認知症の症状をチェック!
・同じことを何度も言ったり、聞いたりするようになった
・物の名前や知っている人の名前が出てこなくなった
・置き忘れやしまい忘れが目立つようになった
・水道の蛇口の締め忘れや鍋焦がしが目立つようになった
・約束の日時や場所を忘れる、間違えることが多くなった
・趣味や好きなことに興味がなくなり、何をするのも億劫になった
・些細なことで怒りっぽくなった
・着るものに無頓着になり、着替えやお風呂も面倒になった
・財布やお金などを「盗まれた」と言うようになった
・料理や掃除の時、今まで使えていた電化製品が使えなくなった
◆早期発見の3つのメリット
◇メリット1 早く治療を始められる
原因によっては、治療や手術でよくなる場合や、他の病気や薬の影響などで認知症のような症状が出ている場合もあります。認知症の早期発見には周りの人の気づきだけでなく本人の気づきが大切です。
不安があれば、早めにかかりつけ医などに相談しましょう。
(上手に受診するコツ)
気になること・医師に伝えたい内容を書き留めておきましょう
例:
・いつ頃から習慣や性格に変化がみられ始めたのか
・日や時間帯によって症状に変化があるのか
・治療中の病気や手術歴、飲んでいる薬(お薬手帳を持参)があるか など
◇メリット2 進行を遅らせることができる
軽度認知障害とは、日常生活に支障はないが、物忘れなどの軽度の認知障害があり、正常とは言い切れない段階をいいます。この早い段階で、生活習慣の改善やリハビリテーションなどの適切な対策を行うと認知症の進行を遅らせることができる場合があります。
◇メリット3 事前にさまざまな準備ができる
本人や家族が認知症への理解を深めたり、今後の生活への備える時間をつくることができるため、トラブルを防いだり、認知症による生活の不安を軽くすることができます。
●自分の意思を家族へ伝えるために…「未来ノート」を活用してみましょう
「未来ノート」とは、健康や財産の状況、もしものとき周りにどうして欲しいかなどをまとめやすくしたノートです。市役所本庁・支所のほか、病院などでお渡ししていますので、ぜひご活用ください。
◆認知症を予防するための3原則
◇バランスのよい食生活
認知症予防に特別な食事は必要ありません。主食、主菜、副菜がそろったバランスの良い食事を心がけましょう。特に、青魚に含まれている不飽和脂肪酸(DHA、IPAなど)や、野菜・果物に含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維などは、脳の神経伝達を活性化させ、脳内の血流をよくします。また、低タンパク・低栄養は、老化のスピードを加速させ、認知機能低下のリスクを高めますので、意識して肉や魚、大豆製品を食べるようにしましょう。さらに、生活習慣病の予防、進行防止のためにも塩分・糖分は控えめを心がけましょう。
・脳のためにも口腔ケアを!
噛めないと認知症の発症リスクが約2倍に上がります。歯を失っても、入れ歯を使ってよく噛むと、全身の健康につながるとも言われています。定期的に歯科を受診し、お口の健康をチェックしましょう。
◇よく体を動かす
ウォーキングなどの有酸素運動は、脳により多くの酸素を取り込み、血液循環をよくする効果があり、認知症のリスク抑制につながります。あわせて、筋肉を使うトレーニングも行うと転倒リスクも遠ざけられます。
普段歩くときに意識してみよう!
効果的なウォーキングのコツ
・目線は前方に
・腹筋をしめる
・かかとから足をおろす
・背筋を伸ばす
・手をしっかり振る
・いつもより大股で
いすに座って気軽にできる!
足腰の筋力アップ体操
・かかとを軸にしてつま先を上下させる
◇外出の機会を増やす
外出が減ると、人との交流や会話が少なくなり、認知症の発症リスクを上げるともいわれています。自ら積極的に趣味やレクリエーションを楽しむことは、思考力や集中力を養い、認知症予防にもつながります。外へ出る楽しみや喜び、仲間づくりの機会を増やしましょう。
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