■シニア世代に推奨されるワクチン
薬剤師 松本明男(まつもとあきお)
ワクチンには、インフルエンザやコロナワクチンだけでなく、実はシニア世代も受けておいた方が良いワクチンがいくつかあります。推奨されるワクチンの代表的なものをご紹介します。
1.肺炎球菌ワクチン
感染すると肺炎、敗血症などの重い合併症を引き起こすことがあります。
次の3種類のワクチンがあります。(1)以外は自費になります。
(1)ニューモバックス(23価型肺炎球菌ワクチン)
65歳以上の方、60歳以上65歳未満で肺炎球菌による病気の罹患リスクが高い方は、定期接種の対象になります。接種率は、令和2年度で15・8%と低迷しています。
予防効果は、3~5年で低下するといわれており、5年ごとの接種が推奨されています。
(2)プレベナー(13価型)
ニューモバックスよりも免疫が付きやすく効果が持続します。
65歳以上や肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高い方が対象です。
ニューモバックスと併用する場合には1年以上の間隔が必要です。
(3)バクニュバンス(15価型)
2022年9月に承認された新しいワクチンです。プレベナーに2種類の血清型が追加され、プレベナーと同様に効果が長く続きます。
ニューモバックスと併用する場合や対象は、プレベナーと同様です。
2.帯状疱疹ワクチン
水ぼうそうにかかったことのある人は、加齢やストレス、疲労などにより免疫力が低下すると発症しやすくなります。80歳までに約3人に1人が発症すると言われています。
強い痛みを伴う帯状疱疹後神経痛(PHN)が長く残ることがあり、50歳以上の約2割がPHNになると言われています。自費にはなりますが、次の2種類のワクチンがあります。
(1)水痘ワクチン(生ワクチン)
50歳以上の方が対象です。接種は1回です。徐々に効果は弱まりますが、5年程度は有効です。
(2)シングリックス(不活化ワクチン)
50歳以上の方や病気・治療の影響で免疫が低下した18歳以上の方が対象です。
水痘ワクチンに比べ発症予防効果が高く、その効果が長く続きます。2回接種します。
今回ご紹介した以外にも推奨されるワクチンがあります。主治医や薬剤師に一度相談してみてはいかがでしょうか?
ワクチンを活用して健康な生活を送りましょう
問合せ:市立病院
【電話】0296-77-0034
<この記事についてアンケートにご協力ください。>