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スポットライト 笠間焼が世界を魅せる

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茨城県笠間市

日本から遠く離れたスペインの地で、笠間焼が人々を魅了しています。
日本人シェフ前田哲郎(まえだてつろう)さんがスペインのバスク地方で昨年4月にオープンしたレストラン「Txispa(チスパ)」で、笠間焼の器が使用されていることをご存じでしょうか。
前田シェフは、ミシュランガイド一つ星のレストランでスーシェフ(副料理長)を務めたことがあり、自身でオープンしたTxispaも、オープンから半年という日本人ではスペイン最速でミシュランガイド・スペイン版で一つ星を獲得しました。
笠間焼の魅力は「笠間というひとつの地に多様な作風の作品が集まっていて、特に若い作家さんが多く見受けられること」だと前田シェフは語っています。
お料理に合わせて笠間焼の器を選び、料理と器を総合的な一つの作品に仕上げていきます。
笠間焼をお店で使用するようになったのは、笠間焼作家Keicondoさんが取り上げられた記事を偶然読んだことがきっかけ。前田シェフの行動力はすさまじく、記事を読んだ後の令和3年(2021年)夏にKeicondoさんのアトリエを訪れ、翌年春には「笠間の陶炎祭(ひまつり)」にも訪問。そして、お店オープンまでの1年半をかけて、笠間焼作家の皆さんと交流を続けて互いの思いを共有しながら、Txispaに最適な笠間焼の数々を特別に制作いただいたそうです。
使用されている笠間焼について、スペインのみならず世界各国から訪れるお客さんからの反応はとてもよく、「このお皿はどこで手に入れたの?」と聞かれることもあるそう。イギリスなど、陶芸・民芸・芸術の文化が根付いている国の方々が、特に興味を示しているそうです。
「器には、使ってこそ宿る美しさがあります。笠間焼という素敵な食器に囲まれて生活ができる環境にある笠間市民の皆さんは、世界でも稀に見る豊かな環境にいるのではないかと思います。私が笠間焼を使うには、約1万キロの距離を運んでこなければなりませんから」と笠間の皆さんへメッセージをおくってくれました。
世界で息づく笠間焼。
皆さんも、日々の生活の中に笠間焼を取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、スペインへご旅行の際は、ぜひTxispaを訪れてみてくださいね。

■前田哲郎シェフ経歴
・昭和59年(1984年)生まれ、石川県金沢(かなざわ)市出身
・高校卒業後さまざまな職を経て、父が営むおばんざい屋を手伝うようになり、その後農業なども経験
・平成22年(2010年)スペイン在住の日本人料理人との出会いをきっかけに、スペイン・バスク地方のミシュランガイド一つ星レストラン「アラメダ」で働くために渡西
・同地方で同じくミシュランガイド一つ星のレストラン「アサドール・エチェバリ」の料理に衝撃を受け、直談判して働き始める
・同レストランではスーシェフ(副料理長)となり、「世界のベストレストラン50」で3位にランクイン
・令和5年(2023年)4月、満を持して自身のレストラン「Txispa」を開業。オープンから半年でミシュランガイド一つ星を獲得し、注目を集めている

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