■地域おこし協力隊とは?
地域おこし協力隊とは、総務省が平成21年度から取り組んでいる制度で、都市部の意欲ある人材が地方へ移住(最長3年)し、地域力の維持・強化を目的とした支援活動を行うものです。
■協力隊卒業後の就農に向けて
髙山健(たかやまけん)隊員 30歳 千葉県柏市から移住
今年度は、いよいよ地域おこし協力隊として活動できる最後の年となりました。
卒業後の来年4月に有機農家としての就農を目指して、農業技術の習得、営農計画の作成などに日々取り組んでいます。今回は就農に向けての取り組みと、就農後に目指したいビジョンについてお話します。
▽自分自身が就農するための取り組み
昨年度から、渡辺有機農園で独立・就農を目指す研修生と共に有機農業の技術研修を受けています。そこで学んだ技術は、コミュニティ農園で実践し、就農後の作物栽培の練習をしています。また、今年度からは、これまで笠間市周辺で新規の有機農家を育ててこられた涌井義郎(わくいよしろう)先生に協力いただき、コミュニティ農園で有機栽培講座を開催します。この講座が始まったこともあり、涌井先生から、定期的に指導いただいています。
協力隊卒業後に自分自身が農家になることが、こうした素敵なご縁をいただいた笠間の方々への恩返しになると思っているので、今年はそのためにできることは全力で取り組んでいこうと思っています。
▽本格的な有機農業をフラッと体験できる「みんなで農活Day」
コミュニティ農園は、市内の専業有機農家さんたちと同じ目線で本格的な農業に多くの市民が関われる場にしたいと考えています。そこで、私が農作業をする日の一部をSNS上で「みんなで農活Day」として告知し始めました。「みんなで農活Day」では、だれでもフラっとコミュニティ農園に来て、その時の作業を一緒に体験できます。この取り組みを通し、市民にとって農業がもっと身近な存在となり、多くの市民が農業の現状や課題へ興味関心を持ち、理解を深めることに繋がればと考えています。この取り組みは、協力隊卒業後も継続していきたいと考えています。
▽就農後に目指したい「環境再生型有機農業」への挑戦
コミュニティ農園では、昨年から茨城大学農学部の小松崎将一(こまつざきまさかず)教授の指導のもと、「環境再生型有機農業」への挑戦が始まっています。「環境再生型有機農業」とは、畑を耕さない(不耕起)など、土壌の生態系をかき乱さない工夫をし、土壌の劣化や土壌中に貯留されたCO2の放出などを防ぎ、持続可能な食料生産を目指す農法です。
昨年10月に小松崎教授指導の下、約1反歩ほどの圃場(ほじょう)に緑肥(りょくひ)を播種(はしゅ)し、3回刈り取りました。そして、今年7月に、小原地区の農事組合法人「おばらの里」の皆さんにも協力いただき、以前使用していたという不耕起播種機(ふこうきはしゅき)を用いて、大豆の播種を行いました。
「環境再生型有機農業」に取り組む事例は日本国内ではまだ少なく、その多くは小規模です。大規模での「環境再生型有機農業」の事例は、まだほとんど見られません。コミュニティ農園には就農後も関わり続け、ここに関わる仲間と共に「環境再生型有機農業」への挑戦も続けていきたいです。
▽就農のリアルな日々を発信中「ケンタカヤマの就農日記」
私の就農に向けて日々行っていることや、その日学んだことなどを「ケンタカヤマの就農日記」としてInstagramに投稿しています。日々うまくいったこともいかなかったことも、赤裸々に投稿することで、就農や農業が直面している現状を、さまざまな方に届けられ、少しでも笠間での農業に興味を持ってくれる方が増えてほしいと考えています。こうした発信活動も、協力隊卒業後も継続していきます。
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