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SDGsで共に創る 持続可能な行方 第47回

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茨城県行方市

◆エネルギーミックスと再生可能エネルギー
行方市SDGs推進アドバイザー・茨城大学教授 野田真里

1.エネルギーミックスと持続可能なエネルギーへの転換
持続可能なエネルギーのためには、エネルギーの効率的な利用(本連載第46回)とともに、エネルギーそれ自体を持続可能なものに転換していく必要があります。SDGsのターゲット7・3では「2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に増やす」とされています。
エネルギーミックスとは、一般に電力等の二次エネルギーを生み出すための、一次エネルギー(石油、石炭、原子力、天然ガス、風力、水力、地熱、太陽熱等)の組み合わせです。よって、持続可能なエネルギーには、化石燃料を減らし再生可能エネルギー(以下、再エネ)を増やすエネルギーミックスが望ましく、グローバル指標7・3・1では「最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギー比率」とされています。

2.日本と世界の再生可能エネルギー比率
では、日本の電力発電ではどのような一次エネルギーの構成・割合になっているでしょうか(図)。2011年から2019年の期間、再エネは10・4%から18・1%へと、約8ポイント弱増加しています。特に太陽光は0・4%から6・7%へと伸びています。他方、化石燃料の合計をみますと、この期間に80・2%から75・6%へと約5ポイント弱減少しています。とはいえ、化石燃料への依存度は依然として高く、特に石炭の割合はむしろ増えています。
次に、主要国の発電電力量に占める再エネ比率の比較をみてみましょう。他のG7先進国と比較しますと、2022年時点で日本の再エネ比率は20・3%で、アメリカ(20・1%)、フランス(21・9%)とほぼ同水準です。他方、イギリス・ドイツ(共に39・6%)、イタリア(40・3%)は日本の約2倍の再エネ比率であり、カナダ(67・2%)は3倍以上となっています(資源エネルギー庁、n.d.)。現在、世界第2の経済大国・人口大国である中国は27・7%です。ただし、別の観点では、日本の再エネ発電設備容量は世界第6位で、太陽光発電は世界第3位、国土面積当たりの日本の太陽光導入容量は主要国の中で最大級です。

3.日本のエネルギー政策と基本計画
最後に、日本のエネルギー政策についても触れておきましょう。経済産業省資源エネルギー庁では2002年の「エネルギー政策基本法」施行に伴い、エネルギー政策の基本的な方向性を示すため、2003年に「第1次エネルギー基本計画」を策定しました。そして2021年には現在の「第6次エネルギー基本計画」が策定され、今日に至っています。
政府は「2050年カーボンニュートラル」(2020年)を表明、これに向けた「地球温暖化対策計画」(2021年)において、温室効果ガスの2030年度の温室効果ガス46%削減、さらに50%の高みを目指して挑戦を続けることとなりました。「第6次エネルギー基本計画」はこれらの実現に向けた道筋を示すことが重要テーマとなっています。

図 発電電力量の構成の変化

出典:資源エネルギー庁(2022)

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